ネットでも外回り営業でも、お客様の選びかた・買いかたは同じ
――ユニフォームというと、BtoBビジネスですよね。それで、2000年からネット通販に注力されたというのは、かなり早いのでは。
「ドメインを取得したのは1999年ですが、本格的に取り組み始めたのが、2000年からです。その頃はインターネットを見ているだけで通信費用がかかる時代でしたから、注文も少なかったですけど、楽天市場の急成長、FX取引、セキュリティ技術の向上などがあり、お客様がネット上でお金を払うことに抵抗がなくなっていくにつれ、徐々に伸びていきました。楽天市場には2003年から2年ほど出店していたのですが、当社にとっては手数料が高いこと、価格競争に巻き込まれがちなことから撤退し、自社ECサイトに注力しています。
BtoBだけに、そもそもは外回り営業から始めていました。ネット通販を始めてからも継続していたのですが、徐々にネット売上の割合が上がってきまして、2004年~2005年くらいに、社長が『外回り営業をやめる』と決断したんですね。
外回り営業では大口案件が多いので、もちろん金額は大きいのですが、先方の都合に振り回されることも多い。また、生地やデザインなどから作る完全なフルオーダーという形でしかお受けしていませんでした。それをネット通販に特化することで、いろいろなバリエーションの在庫を持ち、ネット上のお客様に対して販売していくというスタイルに大きく変えたわけです」
――ネット通販に時代が追いついた、というの以外にうまくいった秘訣とは?
「総合店の『ユニフォームタウン』から始めたことでしょうか。『事務服 ピーチ』や『作業服のジョー』のような専門店と迷ったのですが、まずは商品のボリュームのある総合店がないと、欠品等があった場合に、『こちらではいかがですか?』という補填もできませんから。
総合店で年商10億円を突破し、業界で一番のサイトとの評価もいただいておりますので、次はこれまでとは違うお客様のニーズに応えていくこと。百貨店がお好きな方もいれば、専門店じゃなきゃという方もいらっしゃるので、商品や価格帯、バリエーションなどをお客様の層に合わせて変えていっています。
やはり大きいのは、業界初の『サンプル無制限貸し出しサービス』でしょうか。実はファッション業界ではサンプルの貸出というのはやっていないようで、まずは買っていただいて、お気に召さなければ返品するというスタイルなんですね。当社がサンプルを無制限にお貸し出しできるのは、同じデザインのものを数十着、数百着お買い求めいただくので、割に合うからです。
いちばん大事なのは、ネットでも外回り営業でも、お客様の選びかた、買いかたは同じだということ。同じ時代の、同じお客様ですから。商品を見つけたら、サイズを合わせたいし、納期が知りたい。プリントや刺繍を入れるなら、試しに1着刷ってみたものが見たくなる。そういったサービスは外回り営業時代もやってきたので、ネットでも同じようにやってみる。加えて、お客様からいろいろご要望をいただくので、その都度対応していっています」