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元手をかけずに事業成長 そんなうまい話はない
当連載「現代のEC担当者に必要なメンタリティーとロジカル思考」では、これまで「ロジカルなガッツ」をもちましょう。そのために、根性論を良い意味で取り入れましょう。といった話をしてきました。今回は、連載最終回として「“お金”という血液を流しながら事業を成長させる覚悟をもつ」とはどういうことなのか、という話をしたいと思います。
インターネットで商品を販売し、お客様からお金をもらうネットショップビジネスは、スモールビジネスとして始めやすいビジネスモデルです。あるECシステムを提供する企業がテレビCMなどで「無料でお店を開ける」と謳っているように、初期費用をほとんどかけずにスタートできるケースも増えており、魅力的と感じる方が増えていることもうかがえます。
しかし、「無料で始められる」という触れ込みに安易に飛びつくデメリットにも注意しなければなりません。特にブランドを運営する場合、事業を成長させる上でのメンタリティーに大きく影響してくると僕は考えています。
これは僕が運営するオンラインサロン「ひとりEC塾」に参加するメンバーの方々を見ていても感じることなのですが、気軽に始められるからとお金をかけずに事業を立ち上げると、事業成長のための「投資」に目がいかず、お金をかけること自体に尻込みしがちです。「低コストで大きく事業を成長させたい」と考え、なんでも「削減」する方向に意識が向く方も多いですが、その展望は現実的ではありません。これから説明する内容を踏まえて、ぜひその本質を理解していただきたいと思っています。
忘れてはいけない「投資」の意識
そもそも「ネットショップを伸ばす」に限らず、企業や個人事業主として事業を成長させるには、「投資」が不可欠です。伸びる事業は、成長のために何かしらへの「投資」を必ず行っています。
ネットショップは、無料で開業できるため「元手なしで事業を拡大できる」と思われがちですが、これは誤解であり、根本的な考え方から間違っています。ネットショップも立派な一つの事業です。それを理解し、受け入れて覚悟を決めなければ、成長することはできません。
では、事業成長には何が必要なのでしょうか。それは「認知を広げ、売上を伸ばすこと」です。そして、これをスピーディーに実現するには、「投資」として広告費をはじめとする「コスト」をかける必要があります。
繰り返しますが、ネットショップは簡単に作れますが立派な「一つの事業」です。お店に人を集めるため、お店をより魅力的に見せて事業を伸ばすには、絶対に「投資」への意識を忘れないようにしましょう。