EU調査には「全面的に協力する」 今は各市場に適応する段階
──それでも、欧州連合(EU)は2024年10月、Temuに対してデジタルサービス法違反に関する調査を開始しています。11月には消費者保護法違反の可能性を発表しました。
Temu Temuはデジタルサービス法が定める義務を真剣に受け止め、コンプライアンス体制の強化、プラットフォーム上での消費者利益の保護に継続的に投資しています。「安全かつ信頼性の高い市場を実現する」という共通の目標に向けて、規制当局との協力を進めています。
具体的な進展としては、「インターネット上の模倣品販売に関する覚書(MOU)」への参加に関して話し合いを進めています。この覚書は、EUの行政執行機関である欧州委員会が推進する自主的な協定です。模倣品はEC業界全体の課題といえます。消費者と権利者を守るためには、プラットフォーマーと欧州委員会のような機関の協力を通じた取り組みが不可欠です。
また、消費者保護法に関しても、欧州委員会および各国の消費者当局によって提起された懸念を認識しています。あらゆる問題に対処し法規制を遵守するために、関連規制当局と緊密に連携するという当社のコミットメントをここで改めて表明します。
Temuは、短期間で多くの消費者に支持されました。しかし、まだ非常に若いECプラットフォームであり、EUでは2年未満の運営実績しかありません。現地の市場が求める基準を積極的に学習し、適応しているところです。そのため、EUによる調査に全面的に協力します。
こうした精査が、長期的に消費者、販売者、TemuのようなECプラットフォームに利益をもたらすと信じています。
──模造品の流通に関して新たな対策も進めているそうですが、具体的な内容を教えてください。
Temu 模造品流通の問題について、重く考えています。知的財産権の保護に向けては、2023年9月より、権利者がTemuのIP保護ポータルから発生ケースの報告と対応の追跡を行えるようになりました。
手動審査をサポートする自動システムも導入し、権利侵害の疑いがある出品を検出、削除しています。2024年9月時点で、権利者からの報告による削除対応数よりも、Temuによる事前の削除対応数のほうが30倍多いです。
現在、IP保護チームのリソース拡充にも力を入れています。たとえば、権利者をさらにサポートする取り組みとして「ブランドガーディアンイニシアチブ」を新たに開始しました。