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「Temu」広報担当者が取材で答えた高まる懸念への対策 日本の消費者の不安を払しょくできるか


 2022年9月に米国でサービスを開始した中国発のECプラットフォーム「Temu」。その勢いは世界に拡大し、日本でもユーザー数が増加している。しかし、低価格ゆえに品質やセキュリティに関する不安の声が聞かれるのも事実だ。こうした課題にどう対応しようとしているのか。Temuの広報担当者が取材で答えた。

広告費を投下せずとも売上を伸ばせる仕組み?

──「Temu」は提供開始から数年で急激にユーザー数を伸ばしているそうですが、どのようなサービスなのでしょうか。

Temu  Temuは、消費者とメーカーを“直接”つなぎ、高品質な商品を手頃な価格で提供するECプラットフォームです。その裏には独自の「工場直送モデル」があります。中間事業者を介さないため、販売コストを抑えられる仕組みです。中間マージンを排除できる分、メーカーは低価格で商品を販売できます。

──具体的に「高品質」といえる基準をどのように設けていますか。

Temu 販売対象の市場が定める基準に達している商品を取り扱っています。たとえば日本で販売している商品は、日本の法規制などをクリアしていることが出品の条件です。

──低価格が強みである反面、消費者からは商品のクオリティやメーカー側の負担に関して不安の声が上がっています。こうした反応をどう受け止めていますか。

Temu 低価格=品質が低い、メーカー側の損失につながっているというのは誤解です。実際には、中間マージンの徹底的な排除によって安さを実現しています。

 通常のECプラットフォームでは、メーカーが商品を目立たせるために広告費を支払うケースが珍しくありませんよね。しかし、Temuの場合は良いレビューが付いている商品が自動で優先的に表示されます。つまり、メーカーが広告費を投下しなくても、品質が良ければユーザーの目にとまるのです。これにより、低価格で販売して売上を伸ばし、利益を得られます。また、Temuはメーカーに大量発注をするため、メーカーが“規模の経済”を享受でき、生産コストを下げられるのも強みの一つです。

 1商品あたりの利益率は低いかもしれません。それでも、多くのユーザーが購入することで、メーカー側の総利益は増加します。

 一方で、ユーザーの反応を見て商品の需要が比較的早くわかるため、メーカーは生産量の調整も可能です。大量販売しながらも余剰在庫を減らせます。このビジネスモデルでユーザーは低価格な商品を購入でき、メーカーは利益や商品の品質を担保できるのです。

──Temuには世界中から多様なメーカーが出品しています。その分、品質を一定以上に保つのは容易ではないように思えますが、消費者の信頼を得るためにどのような施策を行っていますか。

Temu メーカーは、対象市場が求める品質基準に商品が適合していると証明する書類を、出品前に提出しなければなりません。また、対象市場の品質基準や要件を遵守すると誓約します。その際、安全基準を満たしている、かつ適切な表示がされているかなどが確認されるのです。加えて、倫理的かつ合法的な行動に関する義務を定めた「第三者行動規範(PDF)」に同意する必要もあります。

 その上で、Temuは商品の説明と実物が一致しているか確認する抜き打ち検査を行っています。同時に、自動スクリーニングと手動審査を実施し、違反が疑われる商品の特定や削除を進めている状況です。

 違反したメーカーに対しては警告や出品停止、アカウント閉鎖といったペナルティが課されます。場合によっては、Temuへの再出品を防ぐため「ブロックリスト」に掲載される可能性もあります。

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