新人教育期間が14ヵ月から5ヵ月に
ニッセンは、KARAKURI assistを導入して業務効率化に成功した企業の一つだ。
同社は各モールに屋号を変えて多店舗展開しており、オンライン上の店舗数は20を超える。楽天市場やAmazonなどのモールごとにCS対応のフローが異なる上、店舗ごとにも細かな違いが存在していた。
「多店舗展開の場合、スタッフは各モールの対応画面の使い方を覚えなくてはなりません。さらに、同社ではモール共通のテンプレートがExcelで管理されており、わざわざファイルを開いて内容を確認する手間もかかっていました。これが、自分の使いやすいテンプレートを個人PCに保存するナレッジの属人化の原因となっていたのです」
KARAKURI assistはGoogle Chromeの拡張機能のため、各モールの管理画面を開いたまま操作できる。楽天市場でのCS対応であれば、楽天市場用のテンプレートだけを呼び出し可能だ。
ニッセンでは、KARAKURI assistの導入により、これまで14ヵ月かかっていた新人教育期間が5ヵ月に短縮された。加えて、入社時からKARAKURI assistを活用することで、ベテランスタッフを超える成果を出す新人スタッフまで現れた。
「CS部門全体でも、問い合わせ対応時間がKARAKURI assist導入前より3割減少しています」
レビューなど顧客の求めるトーンに合わせて返答
ウェルネスブランド「TENTIAL」では、KARAKURI assistの導入後、2週間でメールの対応効率が10〜20%向上した。KARAKURI assistの機能をメールだけでなくレビューにも応用している点が同社の特徴だ。
「メールとレビューでは、お客様が求める返答のトーンに若干の違いがあります。レビューはカジュアルな表現で投稿されるケースが多く、それに合わせて明るい雰囲気で返答したい事業者もいるのです。TENTIALは、レビューを投稿してくれたお客様へ感謝の気持ちを『より親近感のある形で返したい』と考え、KARAKURI assistの生成AI機能を活用してトーンの調整までしています」
KARAKURI assistには、定期的に新機能が追加されている。導入事業者の業務の実態に合わせた使い方ができるよう、使い方を限定せず拡張性をもたせている点は、大きな特徴といえる。
中山氏は「これからもKARAKURI assistを進化させていきたい」と語る。目指すのは、「新人スタッフが入社当日からベテランスタッフと同じようにCS対応できる状態」だ。
「将来的には、生成AIで一連のフローが完結するようにしたいです。完全自動化にはもう少し時間がかかりますが、生成AIが返信文の下書きまで作成する『メールドラフト自動生成機能』を12月中にリリース予定です。また、日本のCS対応には電話が使用されるケースも非常に多いため、メール対応で得られた成果を電話対応にも横展開します。現場の声を拾いながら、新機能の開発を進めていきたいです」