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季刊ECzine vol.21定点観測

モール内に公式ショップ開設相次ぐ 多店舗化でネットでもオムニチャネルに

 EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。いつもの羽田野さんに、モールについて聞きました。※本記事は、2022年6月25日刊行の『季刊ECzine vol.21』に掲載したものです。

楽天の機能改修進む ユーザー体験の統一へ

 年末商戦が終わった後の1~3月は、流通総額を見ても落ち着いた状況にある時期だ。その間に各モールは、機能改修を進める傾向にあると言う。多くの機能改修が見られた、楽天市場から見ていこう。

 まずは、2022年3月末から楽天市場の店舗向け管理画面のRMSで閲覧できていたトラッキングデータの取得 が不可となった変更だ。ここで言うトラッキングデータとは、ユーザーがどの時点で商品をカートに入れたのか、どのようなキーワードから流入してコンバージョンに至ったのかといった、個人を特定しない形でのユーザーの行動データを指す。上位30商品における上位5キーワード、合計150の流入キーワードとそこから何件が購入に至ったかについては引き続き閲覧できるが、商品点数が多い店舗の場合はごく一部のデータに限定される。「従来、高確率でコンバージョンしている流入キーワードを調べ、検索表示最適化に活用してきましたが、それが難しくなりました」。この改変の背景について、改正個人情報保護法の影響ではないかと羽田野さんは推測している。

 その代替だろうか、個別のキーワードに対して、参照元、年齢、地域、新規/リピート別でのデータが取得できる機能が取材時点では実装されている。従来はアクセス数のみの取得となっており、参照元や年齢のような内訳を見ることができなかった。「KPIとしてアクセス数が達成されたとしても、実はまったくターゲット外の年齢のユ ーザーが多数を占めている可能性もあったのです」。今回の改修により、深掘った分析を行うことが可能となった。

 次は、楽天市場のスマートフォンのブラウザのトップページとアプリのトップページの統一化だ。早い店舗であれば2022年4月から、それ以外の店舗も順次適用予定となっている。いつも社でも絶賛対策中だと言う。

「従来はCMSで管理されているものを利用するか、楽天GOLDを利用して自由にページを作るかどちらかの選択肢でした。それが今回から、GOLDのフリーページが廃止され、スマートフォンとアプリのトップページが同期化されます。ある程度楽天によって統一化されたテンプレートを利用するようになることで、楽天市場全体としてのユーザビリティを向上させていこうという狙いが読み取れます。ドラッグアンドドロップで編集できるため、HTMLに詳しくない店舗さんでも操作しやすいのがメリットではないかと思います」

 なお、共通パーツは難しいが、カスタマイズ可能なパ ーツもあり、店舗の個性はそこで表現していくことになる。

 さらに、タイマーによるページの切り替え表示がある。楽天市場のセールは、夜中の1時59分に終了するものが多かった。そのためセールが終了した時点で、店舗側がリアルタイムに表示コンテンツを切り替えることが難しかった。それがタイマーによるページの切り替え表示によって、あらかじめ準備ができるようになるわけだ。

 最後にチャット機能において、チャットボットの中にQ&Aを仕込めるようになった改修を紹介する。ユーザ ーがゼロの状態で質問を考えるのではなく、「サイズ」や「用途」といった店舗側が設定した設問から選択してチャ ット会話を始めることができる。店舗側も、たとえばよくある質問とその回答を設定しておけば、対応の手間を減らすことが可能になる。

「チャット機能を活用している店舗さんは、まだまだ少ないと見ています。まずはよくある質問を設定し、その後、問い合わせがあるたびに随時追加して充実させていきましょう。今回ご紹介した機能改修に対し、閑散期に対応を進め繁忙期に備えることをおすすめします」

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