1日のECオペレーション業務を整理してみよう
EC事業を開始した後に問題となりやすいのが、日々のオペレーション業務です。実際にはかなり細かな作業が多数存在しますが、これらはブランドの立ち上げやECサイト構築時には想像がつかないケースがほとんどでしょう。担当者が具体的に何をしているか、ここから実際に考えてみませんか? あくまで一例ですが、主な作業を一覧にまとめてみました。
午前
- 出社後、前日夜(退勤以降)に入ってきた注文を確認
- お問い合わせフォームやメールアドレス宛に来た連絡へ返信
- コールセンターの電話が鳴れば、受電対応
- 会社や商品へのクレームが入った際には、電話やメールで個別対応
午後
- 受注内容を踏まえ、倉庫へ発送指示を出す
- 倉庫から問い合わせが来た際には、都度個別対応
こうしたオペレーション業務を行っていると、1日があっという間にすぎていきます。前出した定型業務以外にも、後払いの支払用紙をなくした顧客から問い合わせがあれば伝票の再発行を行ったり、与信が通らず支払いができなかった顧客が購入可能な状態になっているかチェックし、場合によっては再オーソリ(再決済手続き)を行ったりと、やるべきことはさまざまです。
複数のECサイトを運営する場合、ドメインごとに管理画面へログインして状況確認を行い、こうした作業をする必要があります。ひとつのブランド専任であっても煩雑な作業ですが、複数ブランドを管轄する担当者の負担はかなりのものと言えるでしょう。話を聞く中でも、大変さが伝わってきます。
EC事業責任者・経営者のKPIは「イレギュラーをどれだけ減らせるか」
EC事業の責任者や経営者が追うべき重要な指標のひとつに、「日々のオペレーションをどれだけ楽にできるか」といったものがあります。よりストレートな表現をすると、「オペレーションコストをどれだけ安くできるか」ということです。
顧客対応業務(CRM領域)は、LTVを最大化することで売上アップに貢献するのが望ましい道筋ですが、受発注関連業務などバックヤード寄りの領域はどれだけコストを削減できるか、そして浮いたコストをどれだけ広告や商品開発に投資できるかという視点が鍵となります。中には、受注から発送までをどれだけ自動化できているかをKPIとするEC事業者もあるほどです。