事例から導き出した成功への近道を提示 データ活用を円滑にするb→dash
では、A社は具体的にどのような方法で課題をクリアしたのだろうか。宮川氏は、b→dashのオンボーディングプログラムの特徴に触れながら、説明を続ける。
ひとつめの理由として挙げられたのは、「施策/分析の企画時間を短縮できる」という点だ。どのような施策を実施すべきか、どのようなレポートが必要か、それらの判断軸としてどのような分析を行うべきかといった多くの課題に対して、b→dashでは業種・業態を27セグメントに分けた鉄板施策や分析をすぐに活用できる環境を初期構築する。
「A社のようにEC・店舗でオムニチャネルを実施したいケースであれば、37のシナリオ施策、23のウェブ接客施策、40の分析レポートを用意しています。これまでの数々の事例から導き出したベストプラクティスを、導入初期から活用することが可能です。こうした成功への近道があることで、データ活用の方針検討や施策実施に悩む時間を削減できます」(宮川氏)
ふたつめは、ひとつめで説明したように、実施する施策や分析が決まっていることにより、施策や分析ごとに必要なデータが明らかになっているため、「必要データの洗い出し時間を短縮できる」こと。導入時はヒアリングシートへ回答をすれば、既存データの活用で実行できるのか、新たにデータを生成しなければならないのかといった判断を速やかに行える。
データの持ちかたは、管理システムによってさまざまである。たとえば、顧客の性別を「男」「女」と文字データで登録しているケースもあれば、数値データを用いて0を「男」、1を「女」と登録しているケースもある。こうした違いを吸収する仕組みを備えている点も、b→dashの特徴と言えよう。
3つめに宮川氏が挙げたのは、「必要データの準備時間を短縮できる」点だ。SQL不要で、コードを記述することなくデータの加工や統合ができる「Data Palette」機能を備えたb→dashでは、データの準備も短期間で実現可能となっている。
「Data Paletteから希望するテンプレートを選択し、必要なデータとカラムを選択するだけで実施したい施策に必要なデータが準備できます。画面から項目を選ぶ操作のみで完結できる点が特徴です」(宮川氏)
A社は、社内のエンジニアに依頼して3ヵ月後の着手になると言われたデータの準備を、b→dashを用いてマーケターが自ら行い数日で実現。なお、データXではさらに準備期間を短縮したい企業向けに、b→dashのカスタマーサクセス担当がデータの準備作業を代行するサービスも追加費用なしで提供していると言う。
b→dash導入・活用により、A社は準備に1年以上時間をかけても施策が開始できていなかったところから一変、短期間でアクションを起こすことに成功した。また、ツールの利用コストを約2分の1に削減できたほか、同一ツール内にBI、CDP機能が存在することでデータ連携に発生していた作業も大幅にカット。「手動の作業がなくなることで、トラブルの芽を摘む効果もある」と宮川氏は語った上で、「b→dashを使いこなすことで、A社は2021年7-9月期にEC売上を200%アップさせている」と説明し、講演を締めくくった。