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ECzine Day 2021 December レポート(AD)

コロナ禍でもEC売上200%増 大手アパレル企業が短期間で成果を創出したデータ活用の秘訣とは

 コロナ禍の影響で進んだDX推進。小売企業にとって、事業構造改革のためのデータ活用は命題のひとつとなっている。しかし、多くの企業では十分なデータ活用ができていない、もしくはかけたコストほどの成果を上げることができていないのも実情だ。実際にデータ活用やECと実店舗の連携を成功に導くには、どのような施策が考えられるのだろうか。2021年12月7日に開催された「ECzine Day 2021 December」にて、株式会社データX Marketing Unit / Managerの宮川雄希氏が大手アパレル企業の事例を基に、EC売上200%を実現したデータ活用方法について講演を行った。その模様をお届けする。

大手アパレル企業が店舗→ECの送客でぶつかった壁

株式会社データX Marketing Unit / Manager 宮川雄希氏

 データマーケティングプラットフォーム「b→dash」を提供するデータX。同プラットフォームを導入して短期間で主要KPIを改善したアパレル企業A社の事例を、宮川氏は紹介した。

 A社は全国に約30の実店舗とECサイトを運営しており、実店舗で約150万人、ECで約90万人の会員を抱える大手アパレル企業だ。2020年初頭までは売上が堅調に伸びていたが、同年4-6月期には新型コロナウイルス感染症拡大の影響で売上が大きくダウンした。

 一方でEC売上に目を向けると、2020年初頭までは緩やかな成長曲線を描いていたが、実店舗の売上が急落した同年4-6月期に60%増を記録していたと言う。

 こうした状況を踏まえ、A社は実店舗で購入経験がある会員に対し、メールやLINEでEC限定のクーポンを配布し、EC会員と売上の増加を目指す方針を立てた。そして、施策の実現と成果を可視化する分析レポートの作成を目指し、MA(Marketing Automation)、BI(Business Intelligence)、CDP(Customer Data Platform)ツールをそれぞれ導入したが、利用を進める上でA社はふたつの壁にぶつかる。

 ひとつめは、ツール導入/運用の壁だ。基幹システムなどにすでにデータは存在していたが、宮川氏は「施策や分析に必要なデータの準備に時間がかかっている状態で、導入から1年後の2021年4月時点においても施策や分析を開始できていなかった」とA社の当時の状況を振り返る。

 A社が適切に実店舗で購入経験のある会員にメールやLINEで案内をするには、次の情報が必要であった。

  1. 顧客ID
  2. 氏名
  3. メールアドレス
  4. 年代
  5. LINE ID
  6. 商品ID
  7. 商品名
  8. 最終購入日からの経過日数
  9. EC未購入者フラグ

 しかし、こうしたデータが自社の基幹システム内のひとつのテーブルにきれいに収まっているケースは一般的ではない。データの統合や加工を行うことで、初めて施策や分析に必要なデータを整合性のある形で取り出せるようになるが、 「施策の実施に必要なカラム9つのうち、7つは顧客データ・商品データ内に存在していたものの、ふたつは顧客データや商品データ、受注データを加工、統合した上で新たなデータを生成する必要があった」と宮川氏は語る。

次のページ
点在するデータを統合する難しさ 存在しないデータはどう作るのか

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この記事の著者

奥野 大児(オクノ ダイジ)

1971年生まれのライター・ブロガー。20年ほど企業内でデータベースエンジニアや社内SEを経験してからフリーに。 執筆ジャンルは、IT・ガジェット・歴史・ドラマ・グルメ・将棋・旅など。ブロガーを活用したPR施策も受け付けています。●Blog:https://www.odaiji.com/blog/ Tw...

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