ECサイトの運営にあたって、集客に力を入れることはとても重要です。しかし、限られた予算のなかで新たな顧客を獲得するには、取り組んでいく施策を工夫していく必要があります。まずはどのような施策があるのかを把握し、その上でいくつかの集客方法を組み合わせていくことが有効な対策だといえるでしょう。この記事では、ECサイトにうまく集客する方法や対策別のメリット・デメリットを解説します。
ECサイトにおける集客の3つの基本
ECサイトで集客を行う方法は大きく分けて3つあります。Web広告・SEO対策・SNSの活用というそれぞれの集客方法の特徴を紹介します。
1.Web広告
Web広告には、さまざまな種類があります。たとえばリスティング広告・SNS広告・動画広告などの種類があり、アドネットワーク広告という仕組みもあります。ターゲットがよく利用するデバイスに応じて、広告を展開することが大切です。
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果に連動して表示される「検索連動広告」を指します。国内では「Google広告」(旧・Googleアドワーズ)かYahoo!の「検索広告」が多く利用されています。特定のキーワードを検索したときに広告が表示されるため、ユーザーの興味・関心に沿った広告展開が可能です。
SNS広告や動画広告なども、自社のターゲットに合わせて利用してみると、宣伝効果を高められるはずです。ターゲットが普段よく利用する媒体を事前にリサーチした上で、反応を見ながら少しずつ予算を増やして広告展開してみると良いでしょう。
アドネットワーク広告とは、WebサイトやSNS、ブログといった複数の媒体をネットワーク化し、まとめて広告配信を行う仕組みのことです。さまざまな媒体を1つのメディアとして一括配信するので、広告出稿の手間を軽減できます。
ただし、Web広告の場合は比較的すぐに効果が出やすい施策ですが、長期的な集客にするには予算をかけ続けなければいけません。他の方法と組み合わせながら、広告を出稿するタイミングを見定めてみましょう。
2.SEO対策
SEO対策は「検索エンジン最適化」とも呼ばれており、自社のECサイトをGoogleなどの検索エンジンが理解しやすいように最適化することを意味しています。ユーザーにとって分かりやすく、使い勝手の良いECサイトだと検索エンジンから評価されれば、結果として検索順位の上昇につなげられます。
具体的な取り組みとしては、サイトの構造を改善するテクニカルに関する部分と、発信する情報を強化していくコンテンツに関する部分とがあります。SEO対策は成果を実感するまでにそれなりに時間や労力がかかるため、地道に取り組んでいくことが大切です。一定数の集客に成功すれば、集客効果が継続して続いていくため、中長期的な取り組みとして進めていきましょう。
3.SNSの活用
SNSはコミュニケーションツールとして利用するだけではなく、自分が知りたい情報を見つける目的で利用する人が増えています。SNSを通じて話題の商品や新商品の情報を得るという場面も多くなっているので、ECサイトを運営する側にとってSNSを活用して集客にうまく結びつけていくことが大切です。
FacebookやTwitter、Instagramなど一口にSNSといってもさまざまなものがあるので、自社のターゲット層にあった媒体での運用を考えてみましょう。ターゲット層がどのようにSNSを利用しているのかをリサーチして、販売や商品戦略などに生かしてみましょう。ユーザーにとって有益な情報を提供し続けていけば、シェアや口コミなどによって集客につながることもあります。
低コストで集客に取り組む方法
ECサイトに集客する方法を考えるときには、かけられる予算についても考慮する必要があります。ここでは、あまり予算をかけずに集客に取り組むときの方法を見ていきましょう。
コンテンツマーケティング
Webサイトやブログ、ウェブマガジンといったコンテンツを通じて集客につなげていく方法をコンテンツマーケティングと呼びます。SEO対策では、ユーザーにとって有益な情報を提供していくことが求められます。そのため、ECサイトのコンテンツを強化することはSEO対策として有効な方法であり、Webを通じて集客を図る上で大切な取り組みと言えます。
自社で運用していくのであれば、手軽に取り組めるのがポイントです。ただし、コンテンツの制作には多くの時間と労力が必要であり、具体的な成果が出るまでに時間もかかります。社内でコンテンツを作り続け、きちんと運用できるのかを精査してから取り組んでいきましょう。
動画マーケティング
数あるコンテンツのなかでも、動画の場合は一度に多くの情報を伝えられるという利点があります。スマホの普及によって、動画に対するニーズが高まっており、単にテキストと画像だけで商品説明を行うよりも、高い訴求力が期待できます。
しかし、外部に向けて動画を制作するには一定のクオリティを満たす必要があり、専門的なノウハウが必要な部分もあります。動画の配信そのものは自社のWebサイトやSNS、動画プラットフォームなどを通じて無料で行えますが、動画を作成する際は費用がかかります。
動画自動作成ツールを使えば、あまりコストをかけずに動画を作るという方法もあるので、かけられる予算の規模に応じてどのように制作すべきかを検討してみましょう。
既存顧客へのアプローチ
集客といっても新規顧客の開拓ばかりでなく、一度自店を利用してくれた顧客向けにも情報発信を行っていくことが重要です。お得な割引情報や新商品の紹介など、既存顧客がほしいと思える情報を提供していきましょう。
具体的には、メルマガやLINE、アプリなどを通じて情報を発信してみることが大切です。リピーターの数が多くなるほど売上も安定してくるため、新規顧客の開拓と並行して既存顧客に対するアプローチも忘れずに行っていきましょう。
Web施策の予算のとらえ方
Web施策における予算は金額よりも、使い方のほうが大事なポイントです。使い方がよくなければ、予算を無駄にする恐れがあるので注意が必要だといえます。Web施策での予算のとらえ方を解説します。
集客につながりにくいケース
集客につながりにくい予算の組み方として、自社のターゲットに合わせた予算組みが行えていない点があげられます。例えば、ターゲットが普段よく利用するデバイスはスマホであるにもかかわらず、PC向けのWeb広告ばかりを出稿していても思うように成果が出ないでしょう。 ターゲットの動向や広告などの性質を分析しておかなければ、Web施策に投じた費用が無駄になりかねません。
予算を効果的に使うには
Web施策において予算を効果的に使っていくには、費用対効果の最大化を考えることが大切です。むやみに予算をかければよいというものではなく、投入した予算でどの程度の反響を得られたのかを意識してみましょう。
特に新たに挑戦するジャンルであれば、初めのうちは少ない予算で反応を試しながら、徐々に予算を追加するといった方法があげられます。戦略的に予算を組んで施策を実施していくことが大事です。
アフィリエイトのメリット・デメリット
ブログやSNSなどで一定数の読者やフォロワーを抱えるアフィリエイターに協力してもらうことで、集客効果を高める方法があります。自社のターゲット層とアフィリエイターのファン層がマッチングすれば、効率的に集客していくことができます。
成果報酬を高めに設定しておけば、それだけ多くのアフィリエイターが参加してくれるため、成果を期待できるといった面があります。一方で、アフィリエイター自身が商品を購入したり、禁止されている方法で宣伝をしたりする不正が行われる場合があるので、管理が難しいといった面があるので注意も必要です。
コンテンツマーケティングに取り組むときのポイント
集客のためにコンテンツ制作に力を入れることは、低コストで取り組めるのでとても有効な手段です。ここでは、コンテンツマーケティングを成功させるためのコツを紹介します。
すぐに成果を求めない
コンテンツマーケティングでは、すぐに成果を求めてしまうと途中で挫折しやすくなるので注意が必要です。中長期的な視点を持って取り組むことが大切であり、集客の即効性を求める場合はWeb広告などを利用してみましょう。
また作成したコンテンツは資産として蓄積されるので、良いコンテンツであれば継続的な集客効果が期待できます。ブログなどであれば手軽に始められますが、実施する場合はしっかりと取り組んでいきましょう。
外部のリソースもうまく活用しよう
コンテンツによる集客は低コストでも始められますが、多くの時間と労力を必要とします。コンテンツの制作や維持管理に手間を取られてしまい、本来取り組むべき販売などの業務に支障が出ないように気をつけておきましょう。
社内のリソースが不足している場合には、コンテンツの制作や運用を外部に依頼してみるのも1つの方法です。制作会社によって任せられる内容や予算が違ってくるため、複数の会社を比較して決めることが大切だといえます。
費用対効果をきちんと見比べて、自社にとって必要な施策を実行していきましょう。
まとめ:集客方法は組み合わせが肝心
ECサイトに集客する方法はさまざまなものがあり、それぞれの方法をよく理解して取り組んでいくことが重要です。1つの施策だけを実行すればよいというものではなく、自店との相性のよい方法をいくつか組み合わせて運用することで、効果を発揮する部分があります。ただし、一定の集客効果を得るまでには時間がかかるので、きちんと戦略を立てて取り組むことが大切です。必要に応じて外部のリソースも活用しながら、地道に集客に取り組んでみましょう。