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2024年8月27日(火)10:00~19:15

今さら聞けないEC知識

ラストワンマイルの意味と問題点を解説!物流・営業をそれぞれ知ろう


 近年、物流業界で注目を集めている「ラストワンマイル」という言葉ですが、どういう意味なのか今さら人に聞けないという人も多いのではないでしょうか。また、物流業界で大きく盛り上がったことを皮切りに、営業分野でもラストワンマイルという言葉が使われるケースも出てきました。そこで、今回はラストワンマイルという言葉の意味や問題点、解決策について詳しく解説します。

ラストワンマイルとは

 「ラストワンマイル」とはもともと通信業界で使われていた言葉であり、「最後の1マイル(※マイルは距離の単位)」という意味です。通信業界においては、最寄りの基地局から利用者の建物や端末までをつなぐ、通信回線の最後の区間のことを指しています。

 近年、物流業界や営業においてもこの「ラストワンマイル」が注目されるようになりました。まずは、物流と営業それぞれの「ラストワンマイル」について見ていきましょう。

物流におけるラストワンマイル

宅配便の段ボールを差し出す男性のイメージ

 物流において「ラストワンマイル」とは、最寄りの配達事業所から届け先までのことを指します。これは物流業界において、顧客との最終的な接点でもあります。例えば、大手のEC事業者は顧客に近い場所に配送拠点を作り、ラストワンマイルを縮めることで、全国配送や翌日配送などのサービスを実現しています。

 ネットショップの増加やライフスタイルの多様化で、消費者が購入した商品を好きな時に受け取ることは、もはや常識と言えるでしょう。そのため、人の手を介する「ラストワンマイル」ではさまざまな課題が生まれ、早急な解決が求められています。

営業におけるラストワンマイル

握手のイメージ、デジタルデバイス

 営業におけるラストワンマイルとは、「顧客が商品やサービスを購入するに至った決め手」のことを指します。通信業界や物流業界における定義と同様、顧客に商品やサービスを届ける上で、購入・契約に至るところが最後の接点になるためです。

 これまで、BtoB・BtoCのいずれの商談においても、顧客が商品やサービスを購入するに至った決め手は本人にしかわからないことでした。しかし、近年ではデジタルテクノロジーの発展やインサイドセールスの需要増加により、Web解析などを行って「ラストワンマイル」をデータ化することも徐々にできるようになってきたのです。

【物流編】ラストワンマイルの問題点・課題点

 物流におけるラストワンマイルには、さまざまな問題点が指摘され、特に以下の3つは早急に解決すべき課題点となっています。

ドライバー不足

荷物を積む男性ドライバーふたり

 増え続ける配達物に対し、配達ドライバー不足が最もよく指摘される課題です。宅配便の取り扱いは年々増え続け、2020年からはコロナ禍の影響もあいまって通販の需要はさらに増えています。

 しかし、配送料などのコストカットや、荷待ちや再配達などによる長時間労働など、ドライバーの待遇は悪い傾向にあります。こうした状況はドライバーのなり手の減少や、増えた宅配物の処理といった負担増のためさらに待遇が悪化する、という悪循環につながっているのです。

再配達・不在時の対応

不在で受け取ることができない店舗

 再配達への対応は、ドライバー不足の問題とも密接に関わっている、物流のラストワンマイルにおける大きな課題の一つです。宅配物の数が増えるほど、不在による再配達率も高くなります。特に、宅配便の再配達を無料サービスとしている運送会社は多いため、ドライバーの長時間労働の一端となっています。

 再配達や不在時の対応を無料で行うことにより、ドライバーの労力や人件費としてその負担はドライバー本人や運送会社にかかってきます。ラストワンマイルの不在時の配達や再配達を減らすことは、ネット通販が増え続ける現代において、最優先で取り組むべき課題とも言えるでしょう。

人件費

お金を運ぶ男性

 大手ECサイトの多くが送料無料などのサービスを行っていますが、これにより運送会社への支払いがカットされるケースが多く見られます。すると、運送会社側では売上に対して人件費の割合が増加することになり、利益率が減るため、追加でドライバーを雇いたくても雇えない状況に陥ってしまいます。

 また、前述のように再配達や不在時の対応を行っている間のドライバーの人件費は、運送会社が負担することになります。これも運送会社のドライバー不足や人件費高騰につながっているのです。

【物流編】ラストワンマイルの課題を解決するために

 では、前述のようなラストワンマイルの課題を解決するために、物流業界ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。今回は、管理システム・拠点の構築・最新テクノロジーの活用という3つのポイントをお伝えします。

輸配送管理システム

トラックとテクノロジー

 輸配送管理システムとは、配送管理の段階で効率の良い配車や運行を行うシステムのことで、要員配置、積載率や荷物状況を把握した上で最適化し、人件費の無駄を大幅に省こうとするものです。

 トラックの配車、移動データ、運賃、燃料代などをオンライン上で管理し、自動計算によって最も効率良い配車やルートを算出します。輸配送管理システムにはクラウド型、パッケージ型などさまざまな製品が提供されており、それぞれの運送会社が自社に合ったサービスを選ぶことが可能です。

AIや自動運転など、最新テクノロジーの利用

夕焼け空とドローン

 AIや自動運転、配送ロボ、ドローンなどの最新テクノロジーを活用してラストワンマイルの人件費・人手不足を解消する方法です。これらは特にラストワンマイルに対する中長期的な取り組みとして研究・開発がなされているもので、さまざまな国や地域でさかんに実証実験が行われています。

 日本ではヤマト運輸とDeNAが共同で実施した「ロボネコヤマト」の実用実験が有名です。現在は人間のドライバーが運転するトラックで保管ボックスまで荷物を運びますが、AIが搭載されており、ルート学習や安全運転のノウハウを積み込んで将来的にはAIによる自動運転を想定しています。

一括納品拠点の構築

段ボール箱が積み重なっている

 現在、ラストワンマイルでは運送会社それぞれが個別に配達している状況です。しかし、さらなる合理化・効率化の観点からは、単一企業による一括納品拠点の構築が望ましいと考えられます。そのためには、各運送会社が密に連携し、共同配送の実現が必要不可欠です。

 共同化・集約化で効率がアップすれば、無駄な輸送や作業などを排除でき、物流という流れ全体の改善が見込めるでしょう。また、前述のテクノロジーを適用するにあたっても、できるだけ同じエリアは同じ運送会社が担当すれば導入がスムーズです。物流全体の大きな改革にはなりますが、実現すれば大幅な業務改善につながるでしょう。

【営業編】ラストワンマイルの課題点と解決策

セールスファネル

 営業におけるラストワンマイルでは、これまで顧客と直接接点を持つ営業担当者の持つ情報がブラックボックス化していることが大きな課題でした。客観的なデータを取得することができず、いわゆる「商談」の部分のナレッジが属人化してしまっているのです。

 そこで、ネットショッピングなどで購入や契約に至る経緯をWeb解析で可視化、データ化することで顧客のニーズや反応を知る方法がまず生まれました。さらに、近年ではコミュニケーションにおける各種データを定量的に取得・分析する「ワークログ」の活用が提唱されています。

 これは、発言回数・割合・会話のテンポなどといった要素のデータから個人のコミュニケーションスタイルを可視化するものです。フィードバックを行えば商談の質を均質化したり、良いコミュニケーションスタイルを効率的に取り入れたりすることもでき、ナレッジの属人化を防ぐとともに、商談のクオリティの底上げを図ることができます。

ラストワンマイルの意味を知り、ビジネスシーンに活かそう

 ラストワンマイルはもともと通信業界で使われていた言葉ですが、近年では物流業界や営業分野でもよく使われています。特に物流業界におけるラストワンマイルの課題は深刻で、早急な解決が求められているのが現状です。営業分野でもブラックボックス化していたラストワンマイルが可視化されつつあります。ラストワンマイルの意味を正しく把握し、これからのビジネスシーンに活かしていきましょう。

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EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

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