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季刊ECzine vol.09 定点観測

「越境EC=中国」のイメージ遂に脱却へ 米進出は土台づくりのフェーズ


 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。withRiverの白川さんに、越境ECについて聞きました。※本記事は、2019年6月25日刊行の『季刊ECzine vol.09』に掲載したものです。

行郵税引き下げで個人輸入に追い風 決断の遅い企業は機を逃す

 中国では、個人が海外から輸入した購入品に対して課せられる「行郵税」が15%から13%に引き下げられた。前回の定点観測で紹介した個人輸入の年間購入上限金額引き上げに続き、純粋に日本の商品を買いたいという消費者に向けた流通には追い風と呼べる動きだ。

「今その追い風にもっとも乗っているのは越境ECプラットフォーマーです。爆買いの勢いが止まり、転売者の売上が減ってしまった日本国内のメーカーやリテーラーは、越境ECに本腰を入れて取り組む必要性を感じています。つまり、プラットフォーマーがメーカーにビジネスの話を持ちかけやすい状況であると言えます。現に、先日KAOLAが小林製薬との事業提携を発表したり、資生堂がTmallと戦略的業務提携を締結したりするなど、両者が直接手を組む流れは生まれています」

 プラットフォーマーがメーカーに声をかけて越境ビジネスを推進させようとする動きは今回が初めてではない。最大手Amazonも日本から中国への越境ECを支援するべく日本企業に働きかけたが、コンサバな日本企業の腰はなかなか上がらず、しびれを切らしたAmazonは海外のセラーをAmazon.co.jpに呼び込む“逆越境EC戦略”へシフトしてしまったと言う。白川さんは日本企業の動きの遅さをこう指摘する。

「今回も、日本企業はインバウンドの売上が下がり減益になって初めて越境ECに本腰を入れる気になりました。逆越境EC戦略にシフトしたAmazonですが、今後は欧米のAmazon.comにおける日本商品の販売を強化していくことも十分に考えられます。そのような場面で日本企業側の動きが遅いと、かつてのように戦略をシフトされ、市場を失ってしまいます」

 また、越境ECプラットフォームを利用せずに海外で商品を売っていきたい人たちに向け、ビジネスパートナーの選択を慎重に行うよう白川さんは忠告する。

「とくに中国の場合は、素性の知れない商社や販売代行会社から『売ってあげるよ』と声がかかることもあると思いますが、その会社の実績がしっかりわかるところと手を組んだほうが良いです。事前にきちんと調べた上で販売ルートやマーケットを絞り込んでいくことが大事だと思います」

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