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Amazonのホールフーズ買収を読み解く 日本の食品小売が生き残る道とは

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 ECにかかわるプラットフォーマーの動向や、ユーザーを引きつけるキャンペーン施策、 クリエイティブ活用などについて、四半期に一度、各分野のプロにポイントを聞く「定点観測」。今季は、Googleの影響の大きさ、動画活用の進行、LINEとの連携、新しい決済の台頭が目立った。自社に関連するポイントをおさえ、来る年末商戦に備えよう(※本記事は、2017年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.02』に掲載したものです)。

Amazonがホールフーズ買収
オムニチャネルに一番近い位置へ

 前回の定点観測では、Amazonフレッシュについて「買い物代行サービス」だとわかりやすく解説してくれた。今回も、逸見さんが真っ先に挙げたのがAmazonの話題だ。アメリカの食品小売「Whole Foods Market(以下、ホールフーズ)」をAmazonが買収すると発表したニュースである。

 「Amazonはもともと年齢や性別といった顧客の属性ではなく、あくまで購買履歴に基づいてレコメンドしますよね。すなわち、購買履歴がないものはレコメンドできない、もしくはしないことを意味します。すると、Amazonが目指すのはやはりプラットフォームである。皆さん、AmazonはECや小売事業者の脅威として見てしまうのですが、本来はプラットフォームビジネスを営んでいるわけです。

 プラットフォーマーであれば、自前で商品を調達する小売よりも、出店を増やすマーケットプレイスを強化したいと考え、実際にそうしていると思います。日本でも増えていますし、Amazon内におけるシェアも拡大しています。そこで発生するさまざまなログを取得し、購買履歴に紐づく形でマーケティングを行い、倉庫からとにかく早く商品を届けることに注力し、ここまで来ました。

 ネットがある程度の規模になると、小売のマーケットプレイスとしては、実店舗が気になり始めます。これまで自分たちがやってきたことでは、わからないことがあるわけです。ネットでは欲しいものをドリルダウンして探し当てて買いますが、実店舗はお店に置いてあるものを見ながら、パッと目についたものを買ったりする。まったく違う感覚ですよね。その感覚を知るために、Amazon Booksというリアルな本屋さんをやってみたり、レジのないAmazon Goというお店を作ってみたりして、センサー等を活用して、お客様の動きをひたすら追っている。もっと実店舗の動きを知りたいというのが、ホールフーズ買収の理由のひとつだと思います」

 もうひとつの理由が、Amazonフレッシュだ。

「Amazonフレッシュは、もともとシアトルでは長年提供されてきたサービスです。さらに拡大したいと思った時に、おそらくネットスーパーと同様の課題があるはず。それは生鮮品の調達と鮮度管理です。ある温度帯できちんと管理して、それを何時までに運ばなければという時間の制約がある。すると配達エリアが制限される。エリアを広げるためには、倉庫を山のように作れたらいいですけれど、広いアメリカでは効率が悪いし、都市部は土地が高いし難しい。だから倉庫の代わりにホールフーズという実店舗に目をつけたわけです。

 さらに言えば、アメリカのAmazonはプライム会員の年会費が日本よりも高い。つまり、ユーザーの所得層が高い。そうなると相性が良いのは、高級スーパーだとなるわけです」

 ホールフーズ自身は、ネットスーパーのようなことを行っていなかったのだろうか。

「『Instacart(インスタカート)』という、買い物代行サービス会社に依頼していました。郵便番号を入力すると、その地域で扱っているお店が一覧でズラッと出てくるというものです」

 結果、オムニチャネルからもっとも遠い位置にいたAmazonが、オムニチャネルのナンバーワンプレイヤーになるかもしれないと逸見さんは言う。

「一方で、プラットフォーマーとしては制約にもなります。ほかのスーパーがAmazonに出店したいとなった時に、競合がAmazonの中にいるわけですから」

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