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季刊ECzine vol.19定点観測

消費の9割はまだオフライン シームレスな物流がOMO推進を助ける

 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。オープンロジの伊藤さんに、物流について聞きました。 ※本記事は、2021年12月24日刊行の『季刊ECzine vol.19』に掲載したものです。

在庫・物流連携を安価に実現し顧客がチャネルを選べる環境構築へ

 経済産業省の「令和2年度電子商取引に関する市場調査」によると、2019年は10兆515億円であった物販系分野の市場規模が2020年には12兆2,333億円にまで拡大している。しかし、EC化率で見るとBtoC-ECは8.08%に留まり、まだ消費の9割以上がオフラインなのが実情だ。

「EC市場が今後も拡大するのは間違いありませんが、直近は相当数の顧客がオフラインで購入し続ける状況であるのも事実です。D2CなどEC専業の企業も、事業拡大を図るにはオフラインの店舗網作りを視野に入れなくてはなりません」

 店舗と言えども、商品を陳列し、スタッフが接客する従来型の方式を採らなければならないわけではない。アメリカの小売ではすでに主流であるBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)やClick&Collectのように、ハイブリッドな購入方法を提示するのが、これからの時代に必要な体験と言える。

「海外では、BOPISやClick&Collectは店舗滞在時間を減らし、接触リスク低減にもつながるため、コロナ禍で需要が拡大しました。しかし、これらはただ店舗に窓口を構えるだけではなく、店舗・EC在庫や顧客データの一元化、組織構成や評価制度の変更など乗り越えるべき多くの壁が存在します。また、顧客体験をリッチにするには、オムニチャネルやOMOの実現に加え、それらを支える物流環境の構築も欠かせません」

 EC購入した商品の店舗受取を実現するには、リアルタイムで各店舗の在庫状況を把握できる仕組みを持つ必要がある。店舗注文のEC発送についても、倉庫に商品がなければ対応できないため、在庫状況の把握をシームレスにすることは必須だ。

 こうした環境整備について、かつてはコストと時間がかかり、大手企業でなければ導入が難しいと考えるきらいがあったが、「最近はオンオフを連携しつつ、フルフィルメントサービスを提供するECカートも存在するため、中小企業でも着手しやすくなっている」と伊藤さんは言う。

「たとえば『STORES』には、ネットショップ開設サービスだけでなく、キャッシュレス決済や予約システムの導入を容易にする仕組みが存在するほか、当社と業務提携し商品保管・配送代行をする『倉庫サービス』もあります。加えて、2021年6月よりレジアプリ『STORES レジ』の提供も開始したため、実店舗運営に必要な商品データをPOSシステムに入力すれば、そのままECと連動した在庫管理や注文確認、売上分析が可能です。『Shopify POS』も同様に、店舗とECの在庫を一元管理できる仕組みとして注目を集めています。

 従来、店舗とECそれぞれの基幹システムをつなげるのは複雑であり、費用と労力がかかると思われていましたが、今はソフトウェアを組み合わせればそこまで負担を強いられることなく、レガシーなシステムを刷新できる時代です。大手アパレル企業でも一部のブランドからこうした仕組みを導入する動きが見られています。選択肢のひとつとして、頭の片隅に入れておきましょう」

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