ネオマーケティングは、「リアル店舗とオンラインショップ」をテーマにインターネットリサーチを実施。実店舗とオンラインショップそれぞれの選択理由や使い分け方、商品購入までの行動などを調査し、オンライン・オフラインならではの価値を改めて探った。
同調査の主な質問と回答は、次のとおり。
実店舗で購入する理由:ジャンルにかかわらず「陳列棚にある商品全体を見たいから」が20%強
「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」「家電・TV・カメラ」「美容・化粧品」の回答結果をそれぞれ比較すると、4つのジャンルすべてにおいて「陳列棚にある商品全体を見たいから」が20%強となった。各店舗独自のレイアウトの陳列棚から商品を選ぶという体験は、ジャンルにかかわらず、実店舗の魅力だといえる。
商品購入までの行動(オンラインショップ)は「YouTubeで商品レビュー動画を観る」が12.7%
もっとも多い行動は、「口コミサイト・掲示板を見る」で32.3%。一方で、「YouTubeで商品レビュー動画を観る」が各SNSでの口コミ検索を抜き12.7%となった。YouTubeにはゲームやコスメ、衣服など幅広くレビュー動画があるが、購買までのルートとして「YouTubeでのレビューチェック」の重要度は今後ますます加速していくと推測される。
普段の買い物における購入場所
普段の買い物における購入場所について、あてはまるものをたずねた。
すべてのジャンルにおいて「主に実店舗」で購入する人がもっとも多くなり、まだまだ実態としては実店舗購入が優勢であることがわかった。
なかでも「本・CD・DVD」「ゲーム・ホビー」については、主に実店舗で購入する人がそれぞれ28.0%・19.7%、主にオンラインショップで購入する人が26.9%・19.0%と、その差は0.7~1.1ポイントに。このふたつのジャンルについては、実店舗とオンラインどちらにも片寄っていないため、どちらの購入場所にも魅力を感じている人が同程度いることがうかがえる。
実店舗で購入する理由
「主に実店舗」で購入すると回答したものについて、実店舗で購入する理由を聞いた。次のグラフでは、「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」「家電・TV・カメラ」「美容・化粧品」の回答結果をそれぞれ比較した。
上記のジャンルすべてにおいて「陳列棚にある商品全体を見たいから」が20%強に。各店舗独自のレイアウトの陳列棚から商品を選ぶという体験は、ジャンルにかかわらず、実店舗の魅力だといえる。
一方で、「実店舗ならではの包装・特典が欲しいから」は、ショップバッグやノベルティにブランディングが表れやすい「衣服・ファッション小物」「美容・化粧品」においても、約2~3%となった。
ジャンルごとに詳しく見ていくと、「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」については、どちらも「その商品を生で見て決めたいから」が最多に。しかし、後者はそれに1ポイント差の41.7%で「すぐに手に入れたいから」が続いている。「食品・飲料・酒類」というジャンルはやはり実店舗と親和性が高いことがうかがえる。
一方「美容・化粧品」については、「その商品を生で見て決めたいから」と回答した人は39.4%となり、「衣服・ファッション小物」の56.8%と比べると現物を確認したいニーズは大幅に下がることがわかった。衣服のほうが、似合うかどうかが写真のみでは想像しづらいと感じる人が多いと推察される。
「家電・TV・カメラ」については、「アフターケアがしっかりしているから」「販売員の説明が聞きたい・相談したいから」がそれぞれ17.2%・23.9%と、ほかのジャンルと比較して高い割合に。返品・故障時の迅速な対応や、オンラインでのスムーズな相談対応が可能であれば、このニーズにはオンラインショップでも応えられると考えられる。
オンラインショップで購入する理由
「主にオンラインショップ」で購入すると回答したものについて、オンラインショップで購入する理由をたずねた。次のグラフは、「衣服・ファッション小物」「美容・化粧品」「パソコン・スマホ・周辺機器」「家電・TV・カメラ」の回答結果をそれぞれ比較した。
「衣服・ファッション小物」「美容・化粧品」について詳しく見ていくと、「衣服・ファッション小物」からは、接客を受けずに・大量の商品を・ゆっくり比較したい、というニーズが読み取れる。
一方「美容・化粧品」は、「実店舗の接客を受けたくないから」は10.2%と、「衣服・ファッション小物」の18.8%よりも8.6ポイント少なくなった。また「ゆっくり選びたいから」も17.0%と、「衣服・ファッション小物」の31.6%よりも14.6ポイント少ない結果となった。
「衣服・ファッション小物」のほうが、オンラインショップ購入ならではの良さを感じている人が多いことがわかる。
「パソコン・スマホ・周辺機器」「家電・TV・カメラ」については、購入理由として圧倒的に「実店舗より安いから」が多く、40%強となった。
実店舗・オンラインショップの購入方法の分け方
実店舗とオンラインショップ半々で購入すると回答したものについて、その分け方としてあてはまるものをたずねた。次のグラフは、「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」「家電・TV・カメラ」「美容・化粧品」の回答結果をそれぞれ比較した。
上記のジャンルすべてにおいて、「価格」での判断がもっとも多く、そこに「緊急性」が続く結果となった。
「衣服・ファッション小物」については、「購入するものが高級品かどうかで分ける」という人が16.4%で、ほかのジャンルと比較して高くなった。ハイブランドは実店舗、ファストブランドはオンラインという分け方をしている人が衣服・ファッション小物の場合多いといえる。
「食品・飲料・酒類」については、緊急性の高いジャンルではあるものの「クーポンがあるかどうかで分ける」という人が約20%と、クーポンの有無も重要な判断要素であることがわかる。
実店舗で購入した際良いと思ったこと
普段の買い物における購入場所が「主に実店舗」「実店舗とオンラインショップ半々」である人に対し、実店舗で購入した際良いと思ったことについてたずねた。
その結果、家電などの商品を比較・検討する段階からある程度の知識が必要になってくるジャンルについての声が挙がった。販売員のアドバイスにより誤った買い物を避けることができたという経験は多いと推測される。
また、「買う予定でレジに行ったら服のほつれに気付いて値引きしてくれた」など、実店舗ならではの臨機応変さについて挙げた人もいました。
商品購入までの行動(実店舗)
実店舗での商品購入までの行動についてあてはまるものをたずねた。「販売員に相談する」が27.0%でもっとも多い結果に。一方で、これにわずか3.4ポイント差の23.6%が「その場でスマホからオンラインショップと値段を比較する」と回答した。また、「その場でスマホから店舗商品の口コミを見る」も12.4%となった。
実店舗に買い物に来ていても、実店舗内での情報以外を取り入れて購入検討する方が一定数いることがわかる。
商品購入までの行動(オンラインショップ)
オンラインショップでの商品購入までの行動についてあてはまるものをたずねたところ、やはりもっとも多い行動は「口コミサイト・掲示板を見る」で32.3%となった。
注目すべきは、「YouTubeで商品レビュー動画を観る」が、各SNSでの口コミ検索を抜き12.7%となった点だといえる。YouTubeにはゲームやコスメ、衣服など幅広くレビュー動画があるが、購買までのルートとして「YouTubeでのレビューチェック」の重要度は今後ますます加速していくと予想される。
調査概要
- 調査方法:同社運営のアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したウェブアンケート方式で実施
- 調査対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~79歳の男女
- 有効回答数:1000名
- 調査実施日:2021年9月15日(水)~2021年9月17日(金)