ヤフーは、「ヤフオク!」「PayPayフリマ」にて、決済から8日経過しても出品者から商品の発送がない場合、購入者自身で取引をキャンセル(決済をキャンセル)できる仕組みである「購入者キャンセル」を2021年6月より導入。その結果、導入前に比べ未着トラブルの解決にかかる時間を最大で約半分に短縮となったことを発表。
従来の取り組み 代金支払い管理サービスの導入による未着トラブル対策
「ヤフオク!」では2018年3月より、購入者の元に商品が届いてから初めて出品者に商品代金が支払われる「代金支払い管理サービス」の仕組みを導入。「ヤフオク!」における「代金支払い管理サービス(エスクロー)」とは、購入者が「Yahoo!かんたん決済」で支払った商品代金を一時的にYahoo! JAPANが受け取り、購入者が商品受取の手続き(受取連絡)をするか、支払いから14日が経過すると出品者に入金されるシステム。
購入者からの受取連絡がなくても、支払いから14日後に入金される仕組みにすることで、購入者が受取連絡を忘れているなどの場合でも出品者に商品代金が支払われ、購入者の「代金を支払ったのに商品が届かない」、出品者の「商品を送ったのに代金が支払われない」といったトラブルを防ぐことができる。
「購入者キャンセル」とは
一方で、出品した商品が忘れた頃に購入されるなどして、出品者が購入の通知に気づかず、結果として発送が行われないというケースもあり、従来の返金申請では申請後、実際に返金されるまでに最長で商品購入から14日かかる。 そこで、購入から8日以上経過しても出品者からの発送がない(発送連絡がない)場合には、購入者は取引画面から取引をキャンセルできるように改善した。
この「購入者キャンセル」は購入者の操作のみで完了し、Yahoo! JAPANでの審査不要で、即時に返金される。商品未発送時に出品者同意が不要でキャンセルできるのは、主要ネットオークション、フリマサービスの中でも、「ヤフオク!」、「PayPayフリマ」独自の仕組み。
「購入者キャンセル」の導入により返金までの時間も商品購入から最短で8日となり、Yahoo! JAPANでの審査を行う返金申請に比べて最大で約半分に短縮した。
また、「購入者キャンセル」の導入と同時に、出品者、購入者双方に向けたリマインド機能も強化。出品したことを忘れてしまうなどで一定期間発送が確認できない出品者に対しては発送を促し、購入者に対しては「購入者キャンセル」が可能な旨を通知している。
出品者にとっても、「購入者キャンセル」があることで、発送を忘れてしまった場合でも後にトラブルに発展することがないため、出品者、購入者双方にとって安心して利用できる機能。結果として、「購入者キャンセル」の導入以前と比べ、商品未着トラブルが約6割減少した。
今後の対策
「購入者キャンセル」の導入によって、未着トラブルの削減に一定の効果が見られたが、購入者からの申請や操作が必要であるため、ユーザーがより安心して取引できるよう、商品が未発送の場合には申請がなくても、一定期間経過後に自動で支払いをキャンセルする機能を検討している。
また、万が一未着トラブルにあってしまった場合には、カスタマーサポートへのお問い合わせにより、適切に対応。 未着トラブルがなくなるよう、システム改修と併せ、引き続きさまざまな取り組みを通じて健全な場の提供に取り組んでいく考え。