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スキンケアの2021年市場見込は3.4%増に オンラインの販路強化などで市場拡大/富士経済調査

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2021/07/18 05:00

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、メーカーによる需要の創出やオンラインでの販路・顧客コミュニケーションの強化などでコロナ禍に対応した動きをみせるスキンケアと、商業施設の営業再開や外出機会の増加、未使用者の需要掘り起こしにより拡大が見込まれるフレグランスの国内市場を調査。同調査結果の概要は、次のとおり。

調査結果の概要

キーワード

肌悩み、在宅時間増加、スペシャルケア、オンラインでの販路・顧客コミュニケーション

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、3月頃より海外からの渡航者の入国制限が行われ、インバウンド需要が急速に減少した。また、緊急事態宣言が発出され、商業施設が休業したことから洗顔料やクレンジングなど全8品目が縮小し、市場は前年比14.5%減の1兆2,651億円となった。一方、マスクの着用で敏感肌やニキビ、毛穴の目立ち、角質ケアなどの肌悩みが生じやすくなったことや在宅時間増加を背景にスキンケアを見直す消費者が増え、ステップにスペシャルケアを加える動きがみられた。

 2021年は、緊急事態宣言下でも、百貨店などでは化粧品を生活必需品に位置づけ、時短ながらも営業を継続する店舗があることから、前年よりも市場への影響は大きくないと予想され、商業施設の営業再開に連動して市場も回復に向かうとみられる。メーカーがマスク着用時のメイク崩れ防止を目的としたミスト商品を発売し需要創出したことやオンラインでの販路・顧客コミュニケーションの強化などコロナ禍に対応した施策から、市場は2020年比3.4%増の1兆3,076億円が見込まれる。

キーワード

ライフスタイル提案型ブランド、フレグランス未使用者の開拓

 2020年は、生活様式の変化によって、外出時などに使用するのではなく、自分の心を癒したり気分転換をするために使用するなど目的が変化した。このことでブランド側がライフスタイルを提案し、それに沿った商品を展開するライフスタイル提案型ブランドを中心に需要を獲得した。一方、百貨店を中心とする外資系のうち、販売員の提案やカウンセリングを受けながら購入を検討できるプレステージブランドでは店舗の休業や時短営業により苦戦したブランドが多かったほか、販売員の提案を前提とせず商品を選ぶセルフブランドも外出時の使用が多いため縮小し、市場は前年比17.9%減の381億円となった。

 2021年以降は、商業施設の営業継続や外出機会の増加にともない、従来の目的でフレグランスを使用する場面が増えると予想される。また、ライフスタイル提案型ブランドを中心としたフレグランス未使用者の開拓の流れが続き、2021年の市場規模は2020年比5.8%増の403億円が見込まれる。

注目市場

キーワード

シワ改善、ウェブ広告、シカクリーム・バーム、マスク荒れ

 2020年は、シワ改善を訴求した商品の投入が相次ぎ、機能強化によって需要を獲得したほか、ウェブ広告によって認知度を高めた新興通販ブランドが好調だった。しかし、新型コロナの影響で、3月頃よりインバウンド需要が急速に減少したことに加え、緊急事態宣言の発出による百貨店など商業施設の臨時休業により、制度品系メーカーのプレステージブランドや百貨店ブランドが低迷し、前年比9.9%減の2,892億円となった。

 2021年は、緊急事態宣言下でも百貨店など一部の商業施設では化粧品を生活必需品に位置づけ営業を継続するケースがみられ、プレステージブランドの需要回復が予想される。前年より徐々に認知度を高めてきた韓国発の“シカクリーム・バーム”が肌荒れなどへの鎮静効果を訴求することで“マスク荒れ”に悩む消費者を取り込んでおり、市場は2020年比2.5%増の2,965億円が見込まれる。

キーワード

スキンケアの見直し、肌悩み、デジタルカウンセリング、高齢化

 2011年以降、洗顔後に使用し、その後の化粧品の効果を高めるブースターの市場浸透やインバウンド需要の取り込みによって市場は拡大してきた。しかし、2019年は消費税増税後の消費マインドの低下や中国での新EC法施行によるソーシャルバイヤーの買い控えで市場の伸びが鈍化した。

 2020年は、在宅時間の増加からスキンケアを見直す消費者が増えたことでスキンケアステップに新たにブースターを取り入れる動きがみられ、毛穴ケアやアクネケアといったコロナ禍で生じた肌悩みに対応した商品は好調だった。しかし、カウンセリングによる使用提案が重要な品目であるため、店舗休業が大きく影響したほか、新型コロナの影響によりインバウンド需要も減少したため、市場は縮小。さらに営業時でも、店舗滞在時間をできるだけ短くしたいという消費者の意向や、美容液はスキンケアステップにとって必須アイテムではないことから、新規需要獲得が難しかったため、市場は前年比16.5%減の2,214億円となった。

 2021年は、消費者の購買活動が前年より回復するとみられ、デジタルカウンセリングを行う体制も整いつつあることから、市場は回復に向かうとみられる。高齢化に連動した消費者の抗老化美容液への需要増加や、メーカーのブースターの使用提案などにより、市場は2020年比4.7%増の2,317億円が見込まれる。

キーワード

ライフスタイル提案型ブランド、ロングセラー商品、未使用者の需要掘り起こし

 近年、プレステージブランドがポップアップイベントの開催やミニサイズ商品の追加で若年層を中心とした新規顧客の取り込みを進めてきた。また、比較的高価格帯の商品を取り扱うメゾンフレグランスブランドがフレグランス上級者の需要を獲得し、市場は拡大してきた。

 2020年は、イベントや対面販売の自粛に加え、販売時間も限られたことから実績を落としたブランドが多く、前年比17.0%減の244億円となった。一方、香りによる“癒し”“リフレッシュ”といったニーズが高まっており、一部のライフスタイル提案型ブランドではルームフレグランスやボディケアアイテムをフックとした派生需要が好調となった。また、メゾンフレグランスブランドへのシフトによる単価アップや、試香が難しいなかで知名度のあるファッションフレグランスのロングセラー商品が好調になるなどの動きがみられた。

 2021年以降も、未使用者の需要掘り起こしやメゾンフレグランスブランドへのシフトによる単価アップが続くほか、商業施設などの営業再開によって市場の拡大が予想され、2021年の市場規模は、2020年比5. 7%増の258億円が見込まれる。

調査概要
  • 調査方法:富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
  • 調査期間:2021年1月~3月
  • 調査対象:


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