ロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供するスパコロは、全国15歳~69歳男女3,759名を対象に実施した「紙アンケートのデジタル化に関する受容性調査 飲食店編」の結果を発表した。
同調査では、ここ数年よく耳にするようになったDXに関連して、飲食店の紙アンケートのデジタル化に焦点を当て、その受容性を確認する目的で調査を実施した。
同調査の結果は、次のとおり。
飲食店の紙アンケートの認知率は約7割。これまでに回答したことある人の割合は約5割
飲食店でしばしば見かける紙アンケートについて、認知しているかどうかや回答の経験があるかをたずねた。その結果、飲食店に置いてある紙アンケートを見たことがあると答えた「認知者」の割合は67.5%。そして、紙アンケートに答えたことがある「回答経験者」の割合は48.4%、「1年以内回答者」では16.9%の割合となった。
飲食店で紙アンケートを見かけても半数以上の人が10回に1回も回答しない
飲食店で紙アンケートを見かけたときにどれくらいアンケートに答えているのか、その頻度についてみてみると、紙アンケートを見かけたら3回に1回以上回答している人の合計は27.9%。これに対し、紙アンケートを見かけても回答する頻度が「10回に1回未満」は24.1%、「答えない/答えたことがない」では29.5%、未回答者を含む10回に1回未満の回答者の合計は53.6%という結果となった。
アンケート回答頻度が高い層ほどポジティブな評価を行う傾向に
飲食店に置いてある紙アンケートに答える場面は「答えたら何かもらえるとき」が顕著に高く45.5%。以降、「アンケート・質問内容に興味がわいたとき」(26.6%)、「時間を持て余したとき」(24.4%)、「店員に頼まれたとき」(21.7%%)、「料理がおいしかったとき」(21.0%)が2割台で続く結果となった。
全体の傾向をみると、総じてサービスや料理へのネガティブな評価よりもポジティブな評価をしたいときに回答する傾向がみられる。特に、この傾向はアンケート回答頻度が高い「ヘビー層」で顕著となっている。店内で答える紙アンケート故に、不満はあっても店員がいるその場でネガティブな評価をしづらいといった心理が働いているのではないかと推測される。
紙アンケートに答えない理由トップ3は「手書き・紙で答えるのが面倒」、「答えても何ももらえない」、「食べ終わったら店をすぐ出る」
飲食店に置いてある紙アンケートに答えない理由でもっとも多いのは「手書き・紙で答えるのが面倒だから」で37.7%。次いで、「答えても何ももらえないから」(22.3%)、「食べ終わったら店をすぐ出るから」(22.2%)が続いた。
広い顧客層に回答を得るためには、これらの課題を解決していく必要があるといえる。
紙アンケートに触ることに抵抗がある層は4割超え コロナ影響により抵抗を感じているのは約3割
コロナ禍の現状において、店内に置いてある紙アンケートや鉛筆・ペンなどに触れることへの抵抗感についてもたずねた。多数派は、「とくに抵抗は感じない」で49.7%。ただ一方で、「抵抗を感じる」の合計は43.0%。うち「コロナの影響で抵抗を感じる」人の割合は33.0%と3割を超える結果に。この抵抗感は、長いコロナ禍の期間で非接触や清潔意識は根付いてきており、コロナ後も継続していく可能性も考えられる。
なお、コロナによる抵抗感は男性(25.7%)よりも女性(39.5%)のほうが10ポイント以上高くなっている。
紙アンケートのデジタル化意向者の割合は半数近くにのぼる
『飲食店に置いてある紙アンケートがアプリやウェブで答えられるといいと思うか?』の質問に対して、肯定した層(「とてもそう思う」+「ややそう思う」)の割合が49.5%で約半数にのぼる結果となった。これに対し、否定した層(「まったくそう思わない」+「そうあまり思わない」)の割合は21.6%だった。
アンケートのアプリ・ウェブ化の肯定層で特に多く挙げられた理由は、「紙よりアプリ・ウェブ回答のほうが便利・簡単/面倒さがないから」、「コロナの感染防止/衛生的・清潔/非接触がよいから」、「自分のペース・ゆっくりで回答できそうだから」、「その場で答えないので店員に気を遣わずにすむ/ホンネで答えられるから」など。そのほか「紙よりコスト効率がよい」「今の時代に合っている」といった意見も散見された。
一方で、アンケートのアプリ・ウェブ化の否定層の主な理由は、「方法に関係なくアンケート自体が面倒だから」、「わざわざアプリのダウンロード、ウェブを開くことが面倒だから」、「紙のほうがその場で答えられて便利だから」といった意見がみられた。
調査概要
- 調査方法:全国15~69歳男女を対象としたインターネットリサーチ
- 調査期間:2021年6月25日(金)~6月27日(日)
- 有効回答数:3,759名 ※全国の人口構成に合わせたウェイトバック集計を実施