大日本印刷(以下、DNP)は、リアルな店舗にセンシング機器(マイク&カメラ)を設置し、接客時の会話と来店客の行動のデータを取得して、生活者の潜在的な購買欲求(インサイト)を解析・可視化する「DNP店舗内CX解析サービス」のトライアルパッケージの提供を開始した。
「DNP店舗内CX解析サービス」概要
コロナ禍をきっかけのひとつとして、流通・小売企業やメーカーでは、店頭などのリアルな場所を、商品やサービスを販売するだけでなく、生活者の興味・関心を探るマーケティングや企業価値を高めるブランディングのための空間に変えていく動きが加速している。
同社は、生活者と企業をリアルとデジタルのコミュニケーションでシームレスにつなぎ、企業が生活者1人ひとりに最適なタイミングで最適な情報を届けるサービスを提供している。特に現在、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって商品・サービスの価値を高め、生活者に新しい買い物の体験を提供する「ストアDX」に注力している。その一環として、従来は確認できていなかった店舗内での生活者の購買行動や商品への反応をリアルタイムで把握するため、生活者の行動をカメラで撮影した画像データと、生活者と店員との会話をマイクで取得した音声データから、生活者の潜在的な購買欲求(インサイト)を分析し、可視化する同サービスの開発に取り組んでいる。2019年11月には、最新のIoTを体験できるショールーミング店舗boxstaを東京・渋谷に開設し、生活者の店舗内における回遊行動や、展示商品に対する接客時の会話・反応をマーケティングデータとして収集する実証実験を実施。同実験での知見を踏まえて今回、店舗内での生活者の音声と行動をデータで取得して解析するサービスのトライアルパッケージの提供を開始する。
サービス特徴
- 店舗内にセンシング機器(マイク&カメラ)を設置し、店員が接客しているときの音声データと生活者の行動データを取得。店舗内での行動データ取得は、RetailNext社のAIカメラとの連携により行う。
- 同データを解析して、その結果を一覧表示するツール(ダッシュボード)で可視化し、顧客の潜在的な購買欲求を分析する情報として、企業にフィードバックする。
- 同データは、企業のマーケティング活動や商品・サービスの改善、店頭での販促施策の改善、店員の教育や接客スキルの平準化など、企業のCX向上に活用することができる。
今後同社は、同サービスを流通・小売企業やメーカー各社に提供するとともに、店舗や接客条件の違いなども加味して、マーケティングに必要なデータの取得・解析の精度を向上させていく。トライアルを経て、2022年には本サービスとしての提供を開始する予定とのこと。