電通、電通デジタルは、Amazonが提供するユーザープライバシーの保護と広告主のマーケティングニーズを両立させることができるクラウド環境のデータ分析ツール「Amazon Marketing Cloud(以下「AMC」)」を活用した分析ソリューションを提供開始した。
これまでにAmazonでビジネスを行う多くの広告主が持続的な売上の成長、投資対効果の最大化を試みAmazon広告ソリューションを活用している。デジタル広告業界全体として、最終的な接点のみを計測、評価する従来の運用戦略ではクロスチャネルでの全体評価が難しく、中長期的なビジネスの成長を見据えた広告投資の決定が課題となっていた。
一方で、中長期的な売上指標でのPDCAを行うデータ分析ツールの実現においては、個人のプライバシー保護を前提としたシステム・運用体制が求められており、広告主のマーケティングニーズとプライバシー保護を両立させるべく、両社はAMCのベータ版に参加し、国内でいち早く開発、研究を重ね実用化に至った。
今回、実用化に至ったAMCは、Amazonの広告メニューの配信データセットが格納されたData Clean Roomで、個々のイベントデータは閲覧できず、暗号化された状態で格納されている。同ソリューションではこのAMC上の匿名化されたデータセットを活用し発展的な広告の効果計測が可能となり、Amazon広告ソリューションを活用している広告主向けに、既存の広告運用のさらなる効率改善や発展的な戦略立案を提供する。
具体的には、AMCを活用することで、通常の広告運用では効果計測が分断されている各広告ソリューションの配信ログをAMC内で集約、分析することができ、広告ソリューション間を横断した効果検証が可能に。結果として、従来ではラストクリック、ラストインプレッションでのみ行っていた広告効果計測から、どの広告メニューが相互に影響して購買につながったかなどを分析することにより、認知から購買まで実効性のあるフルファネルでの広告戦略立案を実現する。また、配信ログから見出されたオーディエンスのコンバージョン指標を分析し、見込み顧客のインサイトの発掘、次の一手としてのターゲティングの計画に役立てられるという。
第1弾として、各広告ソリューションのクロスチャネルでの分析に基づいた広告アロケーション案、潜在オーディエンスのインサイト提示、新たなターゲティング立案を提供。開発研究は継続して行っており、今後、発展的なソリューションも提供予定だという。
なお、AMCはすでに電通グループにおいては国内のみならず、海外においても活用が進んでおり、国内外でワンストップに提供できるソリューションを検討している。
今後も両社は、Amazon Advertisingと連携し、広告運用のさらなる効率改善や高度な戦略立案を通し、広告主のマーケティング活動を支援していくとのこと。