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2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzineニュース

飲食店の約4割がGo Toイートへ参加意向 支援策としての効果には疑問の声も/飲食店.COM調査

 飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営するシンクロ・フードは、飲食店.COM会員を対象に、Go Toイートキャンペーンに向けた飲食店の対応についてアンケート調査を実施した。

 政府は、新型コロナウイルスの影響により窮地に立たされ続ける飲食店や農林漁業者への支援策として「Go Toイートキャンペーン」を実施することを発表。地域の飲食店で使えるプレミアム付食事券の発行や、オンライン飲食予約サイトを通じたポイントの付与によって、外食需要ならびに消費喚起を促すことを目的としている。そこで今回は、Go Toイートキャンペーンに向けた飲食店としての対応や、参加意向について調査を行った。

 同調査結果の詳細は、次のとおり。

Go Toイートキャンペーン、38.3%の飲食店が参加の意向

 2020年8月の売上昨年対比を聞いたところ、「前年同月より50%以上減った」との回答が最多で34.1%。次いで「40%減った(18.3%)」、「30%減った(17%)」と続いた。7月の売上昨年対比(「50%以上減った(38.6%)」、「40%減った(13.6%)」、「30%減った(17%)」)と比較すると、状況はわずかに上向きつつもほぼ横ばいの状態。特に8月は各地で再び営業時間の短縮要請が出されていたため、それらの事情も影響していると考えられる。

 続いて、Go Toイートキャンペーンへの参加意向についてたずねた。調査時点(9月15日~17日)では、全体のほぼ半数(48.2%)が「検討中」と回答。続いて「『プレミアム付食事券』と『オンライン予約サイト』のいずれも参加する」が22%、「参加しない」が13.6%となった。

 また「参加しない」と回答した人にその理由について自由回答で聞いてみたところ、「参加手続きの煩雑さや効果自体に疑問がある」という声のほか、そもそも「オンライン予約を受け付けていない」、「業界ガイドラインに基づいた感染予防対策の条件を満たしきれない」などの声が寄せられた。

回答抜粋

  • 手続きなどが面倒で利点が無い。(大阪府/ラーメン/1店舗)
  • 単価が低い店なので、効果があまり期待できない・(東京都/テイクアウト/2店舗)
  • 座席数を減らさなければならないのが難点。(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
  • 感染拡大を考え、そもそもこの制度に反対しているため参加しません。(静岡県/イタリア料理/1店舗)
  • 客層が変わり、既存のお客様が予約を取りにくくなることが懸念されるため。(神奈川県/イタリア料理/1店舗)

キャンペーン期間中は、独自の割引や限定メニューで集客を試みる飲食店も

一方、参加する意向の店舗において、集客面でどのような対策を考えているのか聞いてみると、次のような回答が寄せられた。

回答抜粋

  • 再来店を促す割引チケットの配布。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
  • 食事券や予約サイト付与ポイントと併用可能な、独自のポイントカード・割引券を発行する。(東京都/イタリア料理/1店舗)
  • キャンペーン期間限定コースを作る予定です。(東京都/焼肉/2店舗)
  • 自店独自のサービス(○○○○円以上ご利用の方にスパークリングワインをプレゼントなど)を実施する。(大阪府/イタリア料理/1店舗)
  • 1,000円単位のメニュー作成、お土産になる商品の開発。(石川県/その他/6~10店舗)

 予約者限定のお得なコースや、おつりの出ないプレミアム付食事券(電子版の場合は1円単位で清算可能)に合わせた限定価格メニューの提供など、キャンペーン期間ならではの特別な取り組みを検討する店舗が多数。また、次回来店時に使える割引券の発行など、キャンペーンをきっかけとしたリピーターの獲得を目指す意向も見受けられた。

オンライン予約サイト参加店の64.8%が「食べログ」を利用予定

 次に、Go Toイートキャンペーンの参加店舗であることをどのように告知していくかたずねたところ、「オンライン予約サイト」と「Twitter、Instagram、facebook、LINE公式アカウントなどのSNS」を利用するという回答が、同率69.9%となり最多に。「自店(運営元)ホームページ(52.6%)」や「店外ポスターや看板(51.7%)」などの手段を上回った。

 さらに今回、オンライン予約サイト経由で参加すると表明した店舗に対し、どのサイトを利用する予定か聞いてみると、「食べログ(64.8%)」がもっとも多く、次いで「ぐるなび(56%)」、「ホットペッパー(45.9%)」と続いた。

キャンペーンの仕組みが「わかりにくい」との意見多数 効果自体を疑問視する声も

 同調査を行った期間中(9月15日~17日)はキャンペーン開始前であったうえ、東京都や北海道など、プレミアム付食事券発行事業者が未定の自治体もある状況だった。そこでGo Toイートキャンペーン実施に向けて、不安や疑問に思っていることを自由回答で聞いてみたところ、次のような意見が寄せられた。

回答抜粋

キャンペーンの概要やしくみがわかりにくい
  • 登録手続き等が煩雑である。また詳細について伝達が遅い。(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
  • 申請のやり方などわからないことばかり。(神奈川県/フランス料理/1店舗)
全業態への支援につながるか疑問
  • ポイント還元の場合、1回のディナー予約・来店につき一律1,000ポイント付与とのこと。それなら、多くの人は価格帯の安いお店に何回も行き、ポイントを貯めるのでは。高級店には向かないキャンペーンかと思っております。(東京都/バー/2店舗)
  • 当店は客単価700円程度の定食屋のため、予約サイトとは無縁の存在。食事券に関してはメリットがあるのかもしれませんが、今まで、商工会などとの絡みも無く、どのような手続きが必要なのかも不明です。(東京都/その他/1店舗)
飲食店予約サイトにかかる手数料が負担
  • ランチで毎回使う人が増えて、送客手数料が増えそう。(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
  • オンライン予約サイトに手数料を取られるにもかかわらず、予約のお客様の単価が安かった場合、納得がいかない。(神奈川県/そば・うどん/1店舗)
厳しい参加条件を順守できない
  • 最低1メートル以上の座席間隔が必要だとか。狭い店舗では無理です。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
  • まだ、カード決済もネット予約のシステムも整っていない。(東京都/専門料理/1店舗)
感染リスクへの懸念
  • 感染予防対策をしながらどこまで集客できるのか、そもそもお客様に安心して楽しく食事してもらえるのか。難しい企画だと思う。(東京都/フランス料理/1店舗)
  • まだコロナが収束していないのに、やる意義が不明瞭。安心出来る状況になったら検討する。(東京都/ラーメン/1店舗)
  • GO TOトラベルのクーポンも利用できるようにする予定なので、会計の際に手際よく処理できるかが心配。(京都府/和食/1店舗)

キャンペーンへの期待度はぼんやり 概要や仕組みのわかりにくさも原因のひとつか

 Go Toイートキャンペーンにどれだけ期待を寄せているか聞いてみると、「あまり期待していない」(25.5%)、「まったく期待していない」(13.9%)が合わせて39.4%、「どちらともいえない」が31.3%、「とても期待している」(6.8%)、「まあ期待している」(22.5%)という結果に。多くの店舗がキャンペーン概要の把握に苦労していることもあり、本当に飲食店や農林漁業者への支援策として有効なのか、判断に悩んでいる様子もみてとれる。

 最後に、Go Toイートキャンペーンについて今後望むことを自由回答でたずねたところ、情報のわかりやすさや仕組みの簡易化を訴える声を中心に、予算の拡充、キャンペーン期間の延長または無期限化、業態または規模によって格差が出ないようにしてほしいなどの意見が寄せられた。

回答抜粋

  • お店や利用者に分かりやすいシステムにしてほしい。(東京都/カフェ/3~5店舗)
  • 単純に飲食店にかかる消費税を免除してくれれば、それがGo Toイートになるのではないかと思います。全店舗参加できるので。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
  • 国の予算が少なすぎる。現状ではあまり期待できない。予算を増やして欲しい。(愛知県/鉄板焼き・お好み焼/1店舗)
  • 割引率(客側)、還元率(店側)ともにもっとアップし、来店意欲の向上につなげてほしい。(大阪府/ラーメン/1店舗)
  • 低迷している飲食店を活性化させるために継続的にやってほしい。(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
  • 飲食店予約サイトに掲載していない小さな個人店など、どんな飲食店でもちゃんと恩恵を受けられるようにしてあげて欲しい。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
  • 一部のグルメサイトなどが儲かる仕組みはなくして欲しい。掲載料、送客手数料などの一時的な無料化を希望。(大阪府/イタリア料理/1店舗)

調査概要

  • 調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
  • 回答数:546名
  • 調査期間:2020年9月15日~2020年9月17日
  • 調査方法:インターネット調査

 回答者のうち68.1%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は57.7%(首都圏の飲食店の割合は71%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

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