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2019年度の国内食品通販市場規模、前年度比3.2%増の3兆8,086億円の見込み/矢野経済研究所

 矢野経済研究所が、2020年度の国内食品通販市場調査を実施、結果を発表した。

 2019年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比3.2%増の3兆8,086億円の見込みである。飲料水や米、酒類、健康食品など常備性・習慣性が高い、あるいは商品重量があるカテゴリにおいて、潜在的ニーズが高い傾向にある。

  2019年度は、冷夏の影響で飲料水の需要が前年より落ち込んだことや、消費税増税に伴う支出抑制傾向など、食品通販市場にとっても厳しい市場環境であった。一方で、自然災害の多発により、備蓄意識が高まり、飲料水や保存性の高い食品の需要が顕在化し、通販でまとめ買いするニーズが顕在化した。

  また、年度末から新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スーパー店頭での密集を避けるために通販で食品をまとめ買いするといった購買行動が広がった。ただ、コロナ禍においては緊急事態宣言が発令された4月以降に影響が拡大したことから、2019年度の食品通販市場は前年度並みの伸長率を見込む。

  2020年1月下旬から一部で新型コロナウイルス感染拡大懸念が広まったものの、食品通販の需要に影響が出始めたのは、学校の休校が発表された2月末以降である。学校の休校やリモートワークの導入、不要不急の外出自粛などによって在宅率は上昇し、食料品の買いだめ需要が広がった。特に、スーパー店頭での密集を避けるために、自宅まで配送してもらえる食品通販は需要が急増し、一部では商品欠品や出荷能力の限界から、受注を制限するほどであった。

  日常使いの食料品に対する需要増加だけではなく、お取り寄せグルメ・スイーツに対する需要も増加した。外食や旅行に行けないため、"食"は自宅でできる唯一の楽しみとなり、高価格帯のハンバーグやソーセージなどを食品通販で取り寄せて、自宅で普段より高級な食事を楽しむという需要も取り込んだ。特に、例年5月はゴールデンウィークで在宅率が低下するため、食品通販の需要は減退するが、2020年は緊急事態宣言下で在宅率が高かったことも、食品通販の需要を押し上げたものとみられる。

  6月以降、緊急事態宣言の解除に伴い、緊急事態宣言下の特需は緩和したものの、感染者数が増加傾向に転じ、第2波、第3波が懸念される中で、食品通販に対する需要は引き続き高いとみられる。コロナ禍をきっかけに、食品通販サービスを使用した人が、利便性の高さや提供される商品・サービスの品質の高さを実感して、一部定着する可能性もある。

 2020年度は緊急事態宣言が発令された後に、スーパー店頭での密集を避けるために、自宅まで配送してもらえる食品通販は需要が急増し、例年、在宅率が低下する5月の時期の在宅率が高かったことで、デイリー需要にとっても、また、お取り寄せ需要にとっても大きなプラスとなった。6月以降、学校の再開や出勤再開など、人出が徐々に回復している中で、食品通販市場においては、業態によって5月までの需要急増が一部定着するものと、一過性の需要急増で例年通りに戻るものに分かれるとみられる。

 例えば、ショッピングサイトやネットスーパー、食品メーカーダイレクト販売(直販)のように、スポットでの購入利用が中心の業態(チャネル)については、緊急事態宣言下の需要急増は一時的な影響にとどまる見通しである。一方で、生協や自然派食品宅配のように、定期購入を前提とした会員制販売サービスの業態は、緊急事態宣言が解除されたからといって、コロナ禍以前の水準に即座に戻るということは考えにくい。一度利便性を実感したユーザーは、自身の事情やライフスタイルに適した購買リズム・購買量をさぐりながら、withコロナ時代の中で一定数が定着していくとみられる。2021年度以降の国内食品通販市場は、業態によって伸長・縮小の差はありながら、また、成長率は鈍化しながらも、緩やかな拡大基調が続くと予測する。

  • 調査期間: 2020年4月~7月
  • 調査対象: 通信販売事業者、食品関連企業、生協、食品小売事業者、食品卸等
  • 調査方法: 矢野経済研究所専門研究員によるアンケート調査、電話取材、ならびに文献調査併用

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