クラシコムでは、音楽業界のマーケティングにおいて「サブミッションメディア」が注目を集めるなかで、2020年4月末にECメディア「北欧、暮らしの道具店」のSpotifyに公式プレイリストを公開。さらにサブミッションメディアとしての成長を目指すため、Apple Musicに公式アカウントを開設した。
サブスクリプション(定額課金)音楽配信サービスでは、膨大な数の中からセレクトした曲を集めた「プレイリスト」を公開することができ、多くのフォロワーを持つプレイリストを更新するアカウントは「サブミッションメディア(submission media)」と呼ばれる、
ユーザーは好みのサブミッションメディアをフォローすることで、新たな曲に出会うことができる。一方、アーティストはサブミッションメディアが運営するプレイリストに曲が入ることで、再生のチャンスを得たり、認知を広めることができるという。
米国を中心にサブミッションメディアが音楽業界のマーケティングにおいて非常に重要な役割を果たしており、アーティストとサブミッションメディアをつなぐ有料の仲介サービスなども賑わいを見せている。
また一方でファッション業界では、「シャネル」や「プラダ」をはじめとして、その世界観に沿った曲を集めたプレイリストを公開するブランドが増え、音楽を通して顧客とのコミットメントを高めるなどの役割が期待されているとのこと。
「北欧、暮らしの道具店」は、国内外の雑貨・アパレル、オリジナル商品を販売するとともに、ウェブ記事の公開や、YouTube公式アカウントでオリジナルドラマやドキュメンタリーといった動画コンテンツを配信。さらに、2018年からウェブラジオも公開している。
そこで、音声コンテンツを用いたメディア展開として、2020年4月にSpotifyにて「北欧、暮らしの道具店」公式プレイリストを公開。さらに今回、Apple Musicにおいても公式アカウントを開設するに至った。
現在公開しているプレイリストは7つ。暮らしに寄り添ったさまざまなテーマで作られている。
これらのプレイリストに合わせ、同サイトでは連動したコラム記事を公開するなど、新たな取り組みを重ねている。
さらに、アイスランドの人気シンガーソングライターÁsgeir(アウスゲイル)さんからニューアルバムのプロモーションに関する相談を受け、2020年5月にコラボレーションが実現。ウェブサイトでのインタビューに合わせて、アウスゲイルさん本人の選曲によるプレイリストを公開。コアな音楽ファンだけではない、潜在的なユーザー層への認知拡大を行いたいというアーティストの希望と、「北欧、暮らしの道具店」という媒体を通して新たな音楽に出会いたいユーザーのニーズを掛け合わせた新たな取り組みが実現した。
今後は定期的にプレイリストを作成・更新するとともに、連携サービスを増やす予定とのこと。