トランスコスモスと、調査・分析専門の関連会社であるトランスコスモス・アナリティクスは、機械学習の自動化・AIプラットフォーム「DataRobot」をトランスコスモスのサービス部門・管理部門に導入し、それを使いこなすデータサイエンティストを100人以上育成する取り組みを開始した。
また、自社の成功事例や人材育成ノウハウを活用し、DataRobot Japanのリセールパートナーとして、ユーザー企業向けに関連サービスの提供も開始する。既に20社超の導入プロジェクトが進行しており、2017年度に1億円以上の売上を目指すとした。
トランスコスモスでは、昨今のAI・機械学習技術の発達の一方で、AIを使いこなせるデータサイエンティストの不足を克服するため、今回の試みを開始する。同社は「機械学習の民主化」の担い手として、AI・機械学習推進室を新設し、「1本部1データサイエンティスト」プロジェクトを始動すると発表した。
今回導入を開始したData Robotは、一般的なビジネスパーソンでも「レンジでチンする」感覚でディープラーニングなどの高度な分析ができるプラットフォーム。そして、デジタルマーケティングやEC、コールセンターなどのサービス部門に加え、人事・総務・経理などの管理部門も含め、全国の現場から選抜した50人超の社員が既に専門研修を受講し、AI・機械学習を現場に実装する取り組みを始めている。
具体的な活用事例としては、トランスコスモスが運営する通販ブランドである「日本直販」において、ダイレクトメール/カタログ配信のリストマネジメント業務にDataRobotを活用し、従来のデータサイエンティストが構築した予測モデルと比べて売上150%増、リスト管理業務工数50%カットという、想定を大幅に上回る成果をあげることに成功した。
また、トランスコスモスは、自社だけでなくユーザー企業における「機械学習の民主化」の推進についても支援する。「日本直販」や社内の人材育成で培ったケーススタディやノウハウを活用し、DatRobot JapanのリセールパートナーとしてDataRobot関連サービスを提供する。これは単にDataRobotを販売するのではなく、トランスコスモス・アナリティクスの経験豊富なデータサイエンティストが、ユーザー企業での活用を念頭に置いたワークショップやトレーニングを行う。
さらに、機械学習に必要なデータベースの環境整備やDataRobotと外部システムとの連携については、トランスコスモスの独自DMPサービス「DECode(デコード)」や、デジタルデータを活用し広告・マーケティングからサポートまでをトータルで提供する「DECAds」シリーズ、各種アウトソーシングサービスと組み合わせ、統合ソリューションとして提供する。
トランスコスモスでは、これらの成功モデルを全国に横展開するとともに、人材育成についても継続し、年度内に100人以上のデータサイエンティストを育成する予定だ。