ソフトバンクグループのBBソフトサービスは、2016年10月度のインターネット詐欺リポートを発表した。本リポートは、BBソフトサービスの「Internet SagiWall(インターネットサギウォール)」で検知したデータをもとに、日本のインターネット利用者が直面するネット詐欺の脅威とネット詐欺に対する注意喚起を目的として、危険性の高い詐欺サイトの分析結果を報告するもの。
今回のインターネット詐欺総検知数は185万5,449件で、前月比2.1%減だった。
今回発表されたリポートでは新たに、チャット機能を搭載し個人情報を盗む偽販売サイトを発見したという。この偽販売サイトでは、閲覧中に商品に関する質問ができるチャットが自動的に立ち上がり、実際に質問を入力すると「担当者が席を外しているため、折り返し連絡をします。連絡先を記入してください」という返答が表示される。そのメッセージに表示されるリンクをクリックすると、メールアドレスを記載する入力フォームへと誘導される。
この新たな手口は、「購入に至らない場合でも、名前や連絡先などの個人情報を盗むことができる」「購入時にオペレーターとチャットすることで信用させることができる」「購入後の支払い方法などのガイダンスを臨機応変に行える」「チャットでは会話や取引の記録が残らないため被害届が出せない」といった点で、巧妙な手口と言える。
現時点では、この新たな手口がどれほどの被害をだしているか判断することはできないものの、日々新たなECサイトの手法を取り入れている犯罪者の工夫を見て取ることができる。このような偽販売サイトでは、商品を購入しても商品が届かないなどの被害に遭う危険性があるほか、入力したメールアドレスやパスワード、住所、氏名、クレジットカード番号など、犯罪者にとって有益な個人情報が盗まれ、成り済ましによる不正な商品購入や、個人情報がブラックマーケットで売買され思わぬ被害に遭う危険性がある。