ネット通販市場が拡大しているが、通信販売・訪問販売小売業の倒産は2015年1-11月累計で2009年の調査開始以来、最多の64件(前年同期比39.1%増、前年同期46件)に達した。負債総額は168億2,600万円(前年同期比374.7%増、前年同期35億4,400万円)で、前年同期比 4.7倍増となった。これは、前年はなかった負債10億円以上の大型倒産が2件発生したことも影響している。
倒産の内訳をみると、アパレル関連などの「衣服・身の回り品小売」が最多の20件(前年同期比122.2%増、前年同期9件)となったほか、インテリア用品や美術工芸品など「その他」が17件(同30.7%増、同13件)、家電などの「機械器具小売」が8件(同166.6%増、同3件)と前年同期を上回った。
原因別では、販売不振(業績不振)が前年同期同数の39件。次いで、他社倒産の余波が8件(前年同期2件)、事業上の失敗が8件(同2件)、運転資金の欠乏が4件(同ゼロ)の順だった。
従業員数別では、5人未満が52件(前年同期比33.3%増、前年同期39件)と増え、小規模事業者の倒産が全体の8割(構成比81.2%)を占めた。また、2010年以降に設立された事業者は18件(構成比28.1%)で、設立から日が浅い5年以内の新規事業者が約3割を占めた。