2015年5月13日、東京ビッグサイトで開催された「通販ソリューション展」の初日に、イーベイ・ジャパン事業本部長 佐藤丈彦さんは、「国内販売から海外販売へ~なぜ今越境ECをはじめるチャンスなのか~」と題し、講演を行った。聴講者は約400人。来場者の多い展示会だが、越境EC、そしてイーベイへの注目度がうかがえる数字だ。
ebayの現状
購入者 | 1.57億人(2015年第1四半期) |
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販売者 | 2,500万人(2014年第4四半期) |
商品数 | 常時8億品が出品(2014年第4四半期) |
取引高 | 約9.8兆円(2014年、1USD=118円で計算) |
オークションのイメージが強い同社だが、8億に上る商品数の8割が固定価格で出品されており、企業の参入も増えている。そもそも、日本法人のイーベイ・ジャパンは、法人企業の販売支援をメインの事業としている。
先行企業は、すでにebayを使い、海外で売れる手応えをつかんでいるようだ。今年4月に、ブランド品宅配買取サービス「ブランディア」が、eBay出品を自動化するシステムを自社で開発したと発表(記事)。毎月約100点のブランド品を出品し 1,000万円規模の販売を行ってきたが、ジャンルを拡大し、出品商品数を10倍にするそう。拡大路線は、実績が出ているからに他ならない。
販売企業と実績例
中古ブランド品 | 日本製ゴルフ用品 | 日本アンティーク | 中古ブランド | |
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ebay売上高 |
年商 約8.5億円 | 年商 約1億円 | 月商 1,200万円 | 月商 800万円 |
ebay歴 | 1.5年 | 8年 | 1年未満 | 1年未満 |
出品数 |
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25,000点 | 500点 |
ebay担当スタッフ |
20名 | 1名 | 2名 | 3名 |
ちなみに、日本から販売して売れている商品には以下のジャンルとのこと(現在、ebayでは、食品やアルコール等は販売できない)。
- 中古ブランド品
- 中古時計
- カメラ関連
- アニメグッズ
- おもちゃ
- ゲーム
- 車・バイクパーツ
- スポーツグッズ
ebayの出品に可能性を感じる事業者は少なくないだろうが、そのハードルはそう低くはない。アカウントの出品にはPayPalへの登録が必要であったり、法人向けの機能の使い勝手はまだ改善の余地がある。それでも、「日本でECに出品されている法人、個人の方、すべてを取り込みたい」と佐藤さんは言う。
海外に強いこと、CtoCで集まったユーザー数は大きな武器だが、ヤフオク!とYahoo!ショッピングの連携を見ていると、BtoCの場として成功するかは未知数だ。
今後は、セミナー等を中心に法人の販売者にPRしていくとのこと。ECzineでも成功事例をお届けしたいところだが、先に飛び込み、自ら成功事例となるEC事業者の登場をまず期待したい。