かっこ株式会社(以下、Cacco)は、消費者のクレジットカード不正利用被害に焦点を当てた最新の調査「クレカ不正利用における消費者実態調査2025」を実施。その結果を発表した。
クレジットカード不正利用の対象商品 「家電・電子機器・パソコン」「食品・飲料・酒類」が多い結果に
クレジットカードの不正利用により購入された商品の内訳を見ると、最も多かったのは「家電・電子機器・パソコン」(22.5%)で、次いで「食品・飲料・酒類」(16.8%)が高い割合を占める結果となった。
Caccoは、家電類は高額で換金性が高いため、不正利用の対象になりやすい傾向があると分析。食品類は保存性や換金性の低さから、従来は不正利用の対象になりにくいと考えられていたが、近年日本酒や日本産ウイスキーといった高級嗜好品の海外からの需要増、2024年の米不足にともなう買い占めによる転売などが影響し、上位にランクインしたと推測した。
質問:クレジットカードの不正利用で購入された商品やサービスで当てはまるものをお選びください。(複数回答)

クレジットカード不正利用の発生時期は、夏季に集中
不正利用被害発生時期としては、7~9月が19.0%で最多、次いで4~6月が17.8%となり、春から夏にかけて被害が多い傾向が見られた。これは旅行や大型連休など、消費活動が活発化する時期と一致しており、不正者はこうしたタイミングを狙っている可能性があるとCaccoは推察。ただし、不正利用は商品の需要によって突発的に発生することも多く、必ずしも特定の時期に限定されるものではない旨も補足している。
質問:クレジットカードの不正利用被害に遭った時期はいつですか?(複数回答)

不正利用による被害額 1,000円~3万円未満の被害が多数を占める結果に
クレジットカード不正利用による被害額は、「1万円~3万円未満」が22.0%、「1,000円~1万円未満」が20.8%と、1,000円~3万円未満の被害が全体の42.8%を占める結果となった。前回調査では1,000円~3万円未満の被害が全体の47.1%を占めており、比較的少額な被害が多数を占める傾向は変わっていないことがわかっている。
質問:被害額は合計でいくらでしたか?(単一回答)

クレジットカード不正利用被害が補償されなかったケース、20代が最多で30%に
不正利用被害に対する補償については、全体の86.25%が「補償された」と回答した一方で、20代では「補償されなかった」とする回答が30.0%に達し、他の世代(10%台)と比較して顕著に高い割合となっている。
この背景には、20代がキャッシュレス決済を日常的に利用していることで、利用明細の確認が疎かになり、不正利用に気づかず補償期間を過ぎてしまうケースが増加している可能性があるとCaccoは分析。日常的な買い物や外食といった様々な場面でコード決済を積極的に活用している20代の傾向や、キャッシュレス決済の利用拡大にともない、今後もこうしたリスクが相対的に高まると予想を述べている。
質問:クレジットカード不正利用は、補償されましたか?(単一回答)

不正利用対策、EMV3-Dセキュアの登録は28.5%
不正利用対策としては、「カード明細の確認」が61.0%で最多、次いで「利用通知サービスの登録」が37.0%、「EMV3-Dセキュアの登録」が28.5%という結果に。EMV3-Dセキュア(本人認証サービス)は、2025年3月を目途に導入が推奨されていたこともあり、前回調査と比べて登録率は4ポイント増加しているが、依然として3割未満にとどまっている。
さらに、年代別の結果を見ると、40代以降の世代ではEMV3-Dセキュア登録率が年齢とともに低下する傾向が見られ、中高年層における認知度や登録の促進が今後の課題と同社は考察。EC事業者側ではEMV3-Dセキュアの導入が着実に進んでいる一方で、消費者側での登録・活用については、なお一定の啓発や支援の余地があると考えを述べている。
質問:クレジットカードの不正利用対策は何かしていますか?(複数回答)
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調査概要
- 調査名:Cacco『クレカ不正利用における消費者実態調査2025』
- 調査主体:かっこ株式会社
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:ネットショッピング利用者でクレジットカード不正利用被害にあったことがある全国の20歳以上の男女400人
- 調査実施期間:2025年4月
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合あり。