コーセーは、関西大学の瀬島吉裕教授との共同研究により、化粧品のオンラインカウンセリング中に顧客の気分をリアルタイムで推定する数理モデル「気分推定モデル」を開発した。これにより、オンラインカウンセリング中の音声から顧客の感情の変化を即座に察知し、より個々に寄り添ったカウンセリングサービスの提供が可能になる。
共同研究者である瀬島教授は、従来は対等な二者間のオンラインコミュニケーションでの気分の盛り上がりを推定する数理モデルを開発してきた。今回の研究ではコーセーのオンラインカウンセリングの様子を解析し、顧客とBCのように役割が異なる二者のコミュニケーション向けにモデルの再設計を行った。
このモデルは、顧客とBCの気分や対話から生まれる目に見えない場の雰囲気を仮想的な温度空間として表す。カウンセリングでは接客する側、受ける側と役割が異なるため、それに合わせた熱の流れになるように工夫し、オンラインカウンセリングに対応した気分推定モデルを開発した。
開発された気分推定モデルは、20~40代の男女15名を対象とした実証実験で効果が確認された。参加者はスキンケアに関するオンラインカウンセリングを体験し、その際の気分を主観的に評価。モデルによる推定結果と比較したところ、両者の一致度が高い結果となったという。
気分推定モデルは音声を用いた技術であることから、オンラインに限らず、音声を利用するあらゆる接客シーンで活用できる可能性があるとのこと。