マクロミルは、同社の消費者購買履歴データ「QPR」をもとに、2024年上半期の「食品」と「日用品」のカテゴリ別購入金額の伸びから振り返る「2024年上半期市場規模拡大・縮小ランキング」を発表した。
食品部門1位は「甘味果実酒」で前年比144.9%の成長
市場規模拡大ランキング食品部門の第1位は「甘味果実酒」で、前年比144.9%だった。2023年9月に新発売のサントリー「酸化防止剤無添加のおいしいスパークリングワイン。赤泡」「同 白泡」をはじめとした缶入りスパークリングワインが売上数量の上位を占め、同カテゴリをけん引した。
一方、ボトルワインなどの「果実酒」は市場規模が縮小した。2023年10月1日の「酒税法改正」による税率の引き上げや、円安、原材料高などによる輸入ワインの価格高騰が要因とみられる。
「オリーブ油」「トマトジュース」「ケチャップ」などは値上げにより平均購入単価が増加
平均購入単価は「オリーブ油(前年比128.8%)」「ケチャップ(同115.5%)」「トマトジュース(同114.1%)」など、上位10品目のうち6品目で増加した。食品価格が高騰しているにもかかわらず、需要の高さがうかがえる。中でも「トマトジュース」が顕著で、購入者数においても前年比108.7%、購入数量も前年比105.6%となり、全性年代で増加。天候不順や生鮮トマトの価格高騰による買い替えも、市場拡大の要因の一つと考えられる。
日用品部門1位は「電子蚊取り器」で市場規模が前年比207.5%に
市場規模拡大ランキング日用品部門の第1位は「電子蚊取り器」で、前年比207.5%だった。2024年2月に発売された次世代型の屋内蚊取り器が同カテゴリをけん引。既存の電子蚊取り器の購入者数、購入金額も増加している。
市場規模縮小トップは「一般検査薬」 「熱冷却用品・用具」「うがい薬」などは拡大
市場規模縮小は「一般検査薬(前年比43.2%)」でトップとなり、新型コロナウイルスの収束が可視化される結果となった。一方で、2023年末からの風邪やインフルエンザの流行により、「熱冷却用品・用具(同132.9%)」「ペーパーハンドタオル・用具(同126.6%)」「うがい薬(同125.4%)」など、予防・治療関連品目は拡大した。
キッチン用品類の市場規模が縮小 物価高で買い替えの優先順位が低下か
日用品部門の縮小ランキングでは、「皿(前年比60.3%)」「やかん類(同60.7%)」「鍋・釜類(同67%)」などのキッチン関連用品、「浴室用品(同66.1%)」の市場規模が縮小した。食品や電気料金などの物価高騰の影響を受け、買い替えの優先順位や需要が低下したことが要因の一つだと推測される。
調査概要
- 調査期間:2024年1月1日~5月15日(前年比:2023年1月1日~5月15日)
- 分析対象者:全国(沖縄県を除く)15~79歳の男女
- 対象カテゴリ:JICFS食品・日用品
- データソース:QPR(消費者購買履歴データ)
- ランキング作成方法:市場規模を表す同社の独自指標「100人あたり購入金額」において、集計期間内におけるカテゴリ全体の購入者数が100人以上の項目に絞り込み、そのほかを含むカテゴリを除外したランキングを作成。