高島屋は、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)であるヴァスト・キュルチュールの株式の過半数を取得し、子会社化することを決定した。
ヴァスト・キュルチュールは2019年に創業し、富裕層を中心とした個人が保有する資産を総合的に管理するウェルス・マネジメントやプライベートバンクサービスを提供している。同社は、証券会社が取り扱う株や債券、投資信託などの売買を仲介したり、国内の士業の金融リテラシー向上を支援する「日本PB協会」の立ち上げや、社会課題の解決を目指す非営利法人・研究機関へ必要な資金を届ける仕組み「FUKUWAKE」を構築したりと、ウェルス・マネジメントと社会貢献活動の融合を推進している。
高島屋グループは、金融事業を百貨店および商業開発に次ぐ成長の第3の柱として位置づけており、百貨店の品揃えの一つとして金融サービスを提供している。これまで、店頭でのファイナンシャルカウンター事業やネオバンク事業を展開してきたが、今回の株式取得により、IFA市場での事業拡大やIFAに関する経営ノウハウ、人材をグループ内に取り入れることを予定しているという。これにより、金融事業の強化につなげるとのこと。
なお、今回の動きに合わせて高島屋グループの顧客に対しては、ヴァスト・キュルチュールのプライベートバンクサービスの提供が、ヴァスト・キュルチュールの顧客に対しては、百貨店の商品・サービス提供がおこなわれるようになり、より豊かな生活の提案を進めていくという。こうした経営資源と顧客基盤の相互活用により、IFA市場でのシェア拡大を目指すとしている。