ADK マーケティング・ソリューションズ(以下 「ADK MS」)は、YouTubeショート ・Instagram リール・TikTokなどソーシャルメディアのショート(縦型短尺)動画の利用実態およびショート動画広告の効果を把握する目的で、インターネットによる定量調査を実施した。
YouTubeショートやInstagramリールは、TikTokより利用率が高い
TikTokは昨今のショート動画ブームを牽引してきた存在として注目されているが、利用率ではYouTubeショートやInstagramリールがTikTokを上回った。多くの性年齢でYouTubeショートの利用率が首位となっているが、女性15歳~29歳ではInstagramリールの利用率のほうが高くなっている。
YouTubeショートやInstagramリールは、TikTokと比較すると後発のサービスだが、YouTubeやInstagramそのものは先行して支持基盤があったため、ショート動画機能に限定してもTikTokより多くの利用者が存在するのだと推察される。
視聴頻度と視聴時間は、TikTok がリード
TikTok利用者の過半数は、TikTokを「ほぼ毎日」視聴しており、その割合はYouTube ショートやInstagramリールと比較して高いことから、習慣的に視聴されていることがうかがえる。
視聴時間については、ショート動画全般の視聴時間として質問しており、プラットフォーム別の質問は実施していないが、TikTok利用者のショート動画視聴時間は長い傾向だという。
YouTubeショートはアニメやゲーム、Instagramリールはファッションなど、視聴カテゴリーに特徴
YouTubeショートでは「アニメ」や「ゲーム」、Instagramリールは「ファッション」や「料理」などの動画が他のプラットフォームと比較してよく視聴されている。これには利用者の性年齢や興味が反映されていると考えられるが、視聴したい内容によってプラットフォームが使い分けられている可能性も考えられる。
TikTokでは、視聴頻度が高く視聴時間が長いこともあり、幅広いカテゴリーの動画が視聴されていたという。
TikTokは若者向け、トレンド情報ならInstagramリールも強い
ショート動画の視聴理由やイメージを質問すると、「若い人向け」「トレンド情報を入手しやすい」などの項目は、TikTokが突出。Instagramリールは「トレンド情報を入手しやすい」の評価がTikTok と同等に高く、「おしゃれな動画が多い」の評価は他のサービスよりも高くなっていた。
広告評価は、TikTokとInstagramリールが高め
広告の評価を質問すると、「つい見てしまう」「印象に残る」などのポジティブな項目の多くで、TikTokやInstagramリールは高く評価されている。広告接触後の行動についても、TikTokやInstagramリールは「広告の商品について話した」「購入した」といった経験につながっている傾向がみられる。特にTikTokの広告は高く評価されている。
ショート動画だけでなく、テレビも視聴
「TikTokの利用者はあまりテレビを見ない」といった定説もあるが、本調査ではTikTok利用者の6割は地上波テレビを「ほぼ毎日」視聴していて、この値はYouTubeショート利用者もInstagramリール利用者もほぼ同じ結果だった。
ショート動画広告は「新しい発見がある」「面白い広告が多い」で高評価
ショート動画の広告とテレビ広告の評価については、「信頼できる」をはじめとする多くの項目でテレビ広告のほうが高く評価された。しかし、「新しい発見がある」「面白い広告が多い」については、ショート動画広告がテレビ広告と同等かテレビ広告を上回る評価となった。
調査概要
- 調査期間:2023年11月6日~11月9日
- 対象者条件:全国の15歳~49 歳の男女かつ対象アプリで週1回以上動画を視聴している人〈対象アプリ:YouTube, Instagram, TikTok, X(旧Twitter), LINE〉
- サンプル数:スクリーニング調査 1万91名、本調査 4,426名(男女別・5歳刻みで300サンプルずつ割付)
- 調査手法:インターネット調査
- 調査実施機関:インテージ