デジタルヒューマンの生成に向けたプラットフォームを提供するイスラエル発の企業 D-IDは、高度にカスタマイズされた自律型AIアバターである「D-ID Agents」の一般提供を開始した。
企業ユーザーはD-ID Agentsを自社のデジタルプラットフォームにシームレスに統合することで、あたかも人間のように受け答えするアバターを通じ、顧客体験とマーケティング強化ができるという。D-ID Agentsは日本語に対応しており、事前にアップロードした資料の内容や指定したウェブサイトのコンテンツに基づいて、リアルタイムに日本語で応答するアバターを生成可能だという。
D-IDは、近い将来にデジタルコミュニケーションの大部分がアバターによってサポートされるようになるという予測に基づき、より自然なデジタル・インタラクションに対する需要の高まりに対応すべく、D-ID Agentsを開発。自然なユーザーインターフェース(NUI: Natural User Interface)がアバターとユーザーの間におけるスムーズな会話を可能にし、相互理解、感情的なつながり、信頼を創出するとのこと。
D-ID Agentsは、RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張世代)テクノロジーを活用することでユーザーの環境を理解し、質問を受けてから2秒以内の高精度な応答を実現。従来の言語モデルの限界を超えた情報を提供するという。同社は、チャットボットとAIアシスタントの長所を組み合わせたRAGの使用により、会話型AIに大きな進歩がもたらされるとしている。
D-ID Agentsの公開にともない、同社は企業レベルのカスタマイズや柔軟性向上に向けたAPIオプションや、期間限定ですべてのユーザーがCreative Reality Studioを通じてD-IDエージェントを無料で作成できる機能などの提供をおこなうとのこと。また、「Pro+プラン」にはボイスクローニング機能が追加され、ユーザーはプラットフォーム内でアバターの声をパーソナライズできるようになっているという。
今回公開したD-ID Agentsには、ベータ段階からのフィードバックに基づくいくつかの重要なアップデートと改善が含まれているとのこと。これらの機能強化は、アクセシビリティの向上、ビジネスインテリジェンスのためのエンドユーザー分析、より包括的で多様なユーザーエクスペリエンスを保証するためのプラットフォーム言語サポートの拡大に重点が置かれており、D-ID Agentsのウェブサイトへの埋め込みや共有も実現している。