楽天グループは、2月22日に楽天市場に関する新たな取り組み内容と基本出店料(月額固定費)の変更についての詳細を発表した。
楽天市場では、2008年に現行の出店プラン体系を策定以降、16年間にわたり基本出店料(月額固定費)を据え置いていた。しかし、近年の物価高や人件費、電気代、システム管理費などの高騰を含む外部環境の変化への対応に加え、さらなる店舗運営支援やユーザビリティの強化を目指し、今回の変更を決めたという。
基本出店料(月額固定費)変更の概要
2024年6月1日以降、基本出店料(月額固定費)を下記のとおり変更する(※下記の料金はすべて税別)。また、それにともない、2024年3月以降に出店規約・ガイドラインの変更も実施するのこと。
出店プラン | 基本出店料(変更前) | 基本出店料(変更後) |
---|---|---|
がんばれ!プラン | 1万9,500円 | 2万5,000円 |
スタンダードプラン | 5万円 | 6万5,000円 |
メガショッププラン | 10万円 | 13万円 |
がんばれ!プラン(分割払い) | 2万1,300円 | 2万8,000円 |
スタンダードプラン(分割払い) | 5万4,000円 | 7万円 |
新料金適用および請求タイミングについては、2024年1月1日から5月31日までに利用開始(アカウント発行)した場合、初回出店料は現行規約に基づく請求となり、2回目以降の請求から、新料金が適用される。6月1日以降に利用開始(アカウント発行)した場合は、初回出店料から、新料金での請求となる。
その他の変更点
顧客体験向上に向けたAIの取り組み
1. セマンティック検索
楽天市場では、2024年1月に従来の単純なキーワードの一致検索だけではなく、ユーザーの検索意図や意味を理解して、関連性の高い商品を表示できるセマンティック検索をリリース。ユーザーが探している商品を見つけやすくすることで、欲しい商品が見つからないという不満足体験の減少と店舗様の売上拡大を目指しているという。
2. レビューの要約表示機能
各商品レビューに共通して記載されている要素をAIで要約するだけでなく、共通してレビューに記載されている要素を自動的に分類。レビューを1件ずつ読まずとも、多くのユーザーがコメントしている内容や各要素が書かれているレビューを見つけやすくしている。
店舗運営効率化に向けたAIの取り組み
1. R-Karte における分析サマリ表示
R-Karte売上の公式データをAIが分析。データから読み取れる売上の傾向や店舗ごとの特徴を要約することで、店舗運営者が自身で分析を行う工数を削減するだけでなく、AIが提案する売上改善に向けた示唆や推奨アクションが確認できる機能を提供している。
2. 商品説明文の自動生成と商品画像の複数パターン生成
商品名・商品画像などの情報から、AIが商品説明文を自動生成する機能と、商品画像の背景やテイストをAIが複数パターン作成する機能を通して、店舗の商品登録作業の効率化と商品ページの品質改善を支援する。
3. R-Messeでの回答自動生成
ユーザーからの問い合わせに対して、店舗が回答方針を指示すればAIが方針に従った回答案を自動生成。これにより、個々の問い合わせに対して返信文案を考える時間を短縮し、店舗の運営業務効率化を支援する。
4. RMS AI Chat機能
RMSにおける従来のAI チャットサポートをアップグレード。従来の選択肢を絞り込む形式、フリーテキストでの質問回答に加え、従来は回答できていなかった質問に対して、AIを使った最適な店舗運営 Naviのマニュアル提示が可能となる。
また、店舗側が自身で利用可能な生成AI機能も搭載。メルマガやユーザーへの案内など日々のEC業務に必要な文章の要約や分類、校正などといった作業も店舗のニーズに合わせて AIに代替させることが可能となる。
5. 品質改善・審査業務への活用
ユーザーの安心・安全な買い物体験を支えるため、日々のモニタリング業務や審査業務においてもAIの活用を推進する。
楽天市場では、こうしたAI活用のみならず、店舗の運営効率化、店舗ページの品質向上を目的として、登録商品数や画像登録可能容量の大幅なアップグレードなどを予定しているとのこと。