デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業は、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点として、関東・関西間で2023年7月10日から14日にかけて合同で実施。その結果を発表した。
実証実験の概要
ドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われるかなど、社会実装に向けた課題の抽出を行った。
主な検証項目
- 1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかを検証
- 中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証
- スマートフォンと二次元コードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認
- 複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証
実証結果
結果の数値比較は2024年4月から適用を開始する「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を順守しながら、ドライバーが中継輸送をせずに関東・関西間を往復する、関西から関東までを往復する場合のドライバー数・所要時間・CO2排出量を基準としている。
人手不足、長時間労働について
- SLOCを活用しない場合に比べ、ドライバー数を12名から7名に削減でき、人手不足解消に貢献
- 運行にかかる所要時間が、最大約30%削減(大阪府吹田市~神奈川県横浜市において、17時間から12時間17分に削減)、ドライバーの労働時間削減に貢献
環境負荷について
- 運行にかかる所要時間が削減されることで、CO2排出量を855トンから461トンに削減(46%減)
運用について
- 荷主企業5社と運送協力会社6社による1日6便の運行スケジュールを、ほぼ計画通り実施できることを確認
- デンソー開発による使いやすいUIを取り入れたコンテナ管理システムを導入。中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われたことを確認
- 複数荷主による貨物の混載について、荷主間の役割分担・責任区分を明確にした輸送を実現
今後、SLOCの社会実装に向けて、手順やルールを標準化するなど安定運用が可能な仕組みへ進化させ、混載・共同輸送にも適応すべく、さらに検証を進めていくとのこと。