キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は、数理技術を用いたサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」の提供を開始した。生産計画や物流計画といったサプライチェーン計画全体を最適化し、サステナブルで強靭なサプライチェーン構築への貢献を目指す。
サプライチェーンにおいては、企業が生産計画や物流計画を立てる上で、拠点閉鎖/物流機能不全/材料不足や環境への配慮など、需要波動や不測事態などに対応できる柔軟さが求められている。
しかし、サプライチェーンを分割して割り振られた担当者が、個人のノウハウに基づき生産や運送などの各計画を立案するケースが多いのが実情となっており、計画の連携不足による無駄や、計画ノウハウの集中による属人化/業務負荷過大を誘発するといった課題があった。
キヤノンITSは、こうしたサプライチェーン計画における課題を解決すべく、現状ある要員/設備/システムなどのリソースを最大限活用した生産/物流計画を自動的に作成できるサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」の提供を開始した。
特徴
「SCPlanet」は、これまでキヤノンITSが培ってきた計画系システム開発の経験・技術・ノウハウを共通フレームワークとしてSIコア化したプラットフォーム。同社が強みとする独自の数理技術を活用することで、多段階/多拠点の生産/物流工程における生産(Production)、販売計画(Sales)、在庫(Inventory)の状況を把握し、自動的に各拠点各工程での生産と補充のタイミングを決定できる。
同ソリューションの機能概要は、次のとおり。
フレームワーク構造をもった「生産計画」と「物流計画」のライブラリ群で構成
「幹線輸送(1次輸送)」と「輸配送(2次輸送)」の2つの計画オプション機能
「幹線輸送(1次輸送)計画オプション」
工場在庫を各マザー倉庫へ、あるいは物流センターから地域拠点倉庫へ、といった幹線輸送(1次輸送)において、輸送方法や輸送量の上限値を考慮した上で、最適な輸送計画を立案。積載量/時間軸(輸送タイミング)/拠点軸(どの工場倉庫から運ぶか)の3つの基軸でシミュレーションを行い、物流コスト(輸送・在庫)の最適化を実現する。
「輸配送(2次輸送)計画オプション」
積載率、走行距離、所要時間などの各種評価指標を自動計算し、効率の良い輸配送計画を立案する。ベースとなる「配車SIコア」は、約30種の制約条件判定機能を搭載しており、顧客の実績データをもとに輸配送の最適化シミュレーションを実施して構築する。
地図表示機能は、複数のルートを比較表示でき、配送順や届け先のまとまり度合いを見ることもできる。
基幹業務トータルソリューション「AvantStage」
国内企業への導入実績を多く有する国産パッケージ製品の中から、業務領域ごとに最適なものを必要な部分だけ組み合わせて提供する、ベスト・オブ・ブリード型の基幹業務トータルソリューション。オールインワン型のERPパッケージと比較して、必要な機能に絞って無駄なく効果を得やすいシステム投資が実現でき、導入企業にとってメリットのある基幹システムの導入・運用が可能となる。