米国セールスフォース(以下、Salesforce)は、Einstein 1 Platformを発表した。Salesforce Data CloudとEinsteinのAI機能の大きな進歩を特徴とする同プラットフォームは、そのすべてがSalesforceの基盤となるメタデータフレームワーク上に構築されている。企業はEinstein 1 Platformを利用して、あらゆるデータを安全に結び付け、AIを活用したアプリをローコードで構築し、まったく新しいCRM体験を提供することができるようになるという。
Salesforceが構築した従来のメタデータフレームワークは、企業がSalesforceアプリケーション全体でデータを整理して理解するのに役立つ。これによりデータをSalesforceのメタデータフレームワークにマッピングすることで、異なる社内システムでのデータ構造に関係なく、企業全体でデータを一元的に把握できるようになるとのこと。
組織はこうして把握した内容に基づき、Einstein(AI予測とコンテンツ生成)、Flow(自動化)、Lightning(ユーザーインターフェース)など各種ローコードプラットフォームサービスを利用して、ユーザー体験をカスタマイズし、データに基づいてアクションを起こすことが可能に。これらのカスタマイズでは、インテグレーションコードを書く必要がなく、組織が使用しているほかの主要アプリケーションで即座に利用することができる。
また、Salesforceが提供する年3回の自動アップグレードにより、メタデータフレームワークはハッキングによる一切の連携やカスタマイズ、またセキュリティモデルの崩壊を阻止することも可能となる。
各組織はSalesforceプラットフォームの発展に合わせながら、同プラットフォームに対する機能の追加、拡張、構築を容易に行えるようになるという。
Einstein 1 Data Cloudがビッグデータ規模のデータや高速な自動化をサポート データドリブンなAIアプリケーションの新トレンド推進へ
Salesforceが提供するデータエンジンData Cloudは、顧客データ、企業コンテンツ、テレメトリーデータ、Slackでの会話など、構造化データと非構造化データを一元化して整合性を取り、顧客の単一のビューを作成する。
新しいData CloudがEinstein 1 Platformにネイティブ連携されたことで、企業はサイロ化されたデータを新たな方法で解放し、顧客プロファイルの内容を充実させながら一元化。これまでになかったCRM体験を実現できるようになっている。
Salesforceはさらに、Enterprise Edition以上を利用するすべての顧客が、Data Cloudを無料で利用できるようになったことを発表。既存のユーザーは、Data Cloud とTableauを使って、データの取り込み、一元化と整合性の実現、探索を開始し、あらゆる事業にわたってデータの力を拡張させ、AIを活用できるようになる。
Einsteinは生成AI搭載の対話型アシスタントを提供 ワークフローにシームレスに組み込まれ、生産性向上を大幅に向上
Salesforceが提供する次世代版Einsteinは、対話型AIアシスタントをあらゆるCRMアプリケーションと顧客体験に導入する。
Einstein CopilotとEinstein Copilot Studioは、Einstein 1 Platform上にネイティブに構築されたセキュアなAIアーキテクチャであるEinstein Trust Layer内で動作。これにより、企業のデータプライバシーとセキュリティ基準を維持しながら生成AIのメリットを享受できる。
Einstein 1 Platformのメタデータフレームワークは、機械学習アルゴリズムが動作するためにフレキシブルかつ動的で文脈に富んだ環境を提供することで、AI活用への迅速で信頼性の高い道筋を提供。メタデータはシステム内のデータの構造、関係性、動作を記述するため、AIモデルは顧客とのやり取り、ビジネスプロセス、特定のやり取りを行った結果をより良く理解可能に。さらにこれらの結果は、大規模言語モデルをファインチューニングするために使用され、時間の経過とともに継続的に改善される結果を提供できるようになっているとのこと。