環境負荷の小さい農業の普及に取り組む坂ノ途中は、パナソニックがSBIインベストメントと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド(通称:パナソニックくらしビジョナリーファンド)を引受先とした第三者割当増資を実施した。坂ノ途中が掲げる「バリューチェーンの再構築」を、パナソニックが持つコールドチェーン技術などを活用し、加速、推進する。
コールドチェーン×バリューチェーン再構築で、サステナブルな農産物流通を
坂ノ途中はこれまで、新たに農業をはじめた新規参入者をパートナーとして、化学合成農薬や化学肥料を使用せず育てられた農産物の流通販売を行ってきた。新規参入者がつくる、大規模流通にのらない少量不安定な農産物の価値を見直し消費者へ届ける「バリューチェーンの再構築」を目指している。国内随一のコールドチェーン技術を持つパナソニックと提携することで、鮮度管理能力の向上、CO2排出量削減、フードロス削減などを通じ、よりサステナブルな農産物流通のあり方を築くことを目指す。
BtoC分野のみならずBtoB分野でも連携を想定
坂ノ途中は、環境負荷の小さな農業の広がりを目指し、年間数百種類の多様な野菜の流通販売を行ってきた。家庭に届ける野菜のサブスクリプションサービスが売上の6割を占めているが、今後、小売店、飲食店向けのBtoB事業も成長を見込んでいるという。
パナソニックは、「食」のインフラに関わる領域として調理家電以外にもコールドチェーン事業を展開し、業務用冷蔵・冷凍ショーケースなどB2B分野の製品も幅広く手がけてきた。省エネや自然冷媒技術によるCO2排出量の削減など、環境に配慮したサプライチェーンの構築分野においても様々な取り組みを行っている。
今後、坂ノ途中ではパナソニックと協業することで、BtoC事業でのコラボレーションのほか、BtoB分野での同社のプレゼンス向上や新しい販売方法の開拓も可能になると考えているとのこと。