ロビットは、ツムラと資本業務提携に関する契約を締結し、同社より資金調達を行ったことを発表した。
ロビットはAI・ソフトウェア・ハードウェアを融合したクロスソリューションの開発・提供を行い、さまざまな企業の製造現場における課題解決に取り組んでいる。
同社は、第1期中期経営計画(2022年度-2024年度)「“Cho-WA”(調和)のとれた未来実現への基盤構築」を策定し、将来に向けた成長投資として生薬選別・製造工程におけるAI・ロボット活用を推進し、自動化とDX化による生産性向上を目指している。
ロビット・ツムラの両社では、2019年からさまざまな部門・テーマに対して開発プロジェクトを協働し、各プロジェクトで成果を出してきた。
ロビットの持つAI・ソフトウェア・ハードウェアのクロスソリューション開発力を最大限投入し、生薬AI自動選別機の導入拡大に加えて、漢方バリューチェーンのさまざまな業務工程の自動化を推進することを目的に、今回資本業務提携に関する契約を締結したという
資本業務提携の概要
資本提携
第三者割当増資により、499百万円を調達。
業務提携
今回の資本業務提携により、次の取り組みを行っていく予定。
生薬AI自動選別機の導入および対象生薬数の拡大
ロビットは、2022年5月に食品など小型の検査対象の異物除去/不良品選別に最適化した「TESRAY Gシリーズ」を発表し、従来の色彩選別装置が不得手とするかたちが歪むといった造形的な不良や色彩が検査対象と同等の石や土砂などの異物にも対応できるAI自動化ソリューションを提供し、人による目視検査からの高度化・自動化を進めてきた。
ツムラは、工場の自動化をさまざま進めるなかでも、漢方薬の原料となる生薬の多様性があるため異物除去/不良品選別作業を目視で行ってきたが、2019年からロビットと共同開発を行い、技術開発は完了し、2023年4月に生産ラインでの稼働を予定している。
今回の業務提携において、本ソリューションの導入および対象生薬数の拡大を進めていく。
非破壊検査による生薬の成分解析AIおよび装置の開発
生薬を含む農作物の成分把握は外観からでは判別が難しいため、農作物を粉砕のうえ、特殊な成分分析装置を用いて解析することが一般的である。この従来手法では解析に大きな手間と費用がかかる、サンプル調査しかできないなどの課題が指摘されている。
ロビットはこれまで上記課題解決に向けて2020年からツムラと生薬を対象にした成分解析プロジェクトを複数実施し、AIとハードウェアの先端技術を活用するR&Dを進めている。
今回の業務提携において、この解析技術の適用範囲の拡大と、その技術を実装したAI自動選別ソリューションの開発を進めていく。
そのほかの業務連携
そのほかの分野においても、ロビットのAI・ソフトウェア・ハードウェアを融合したクロスソリューションによってツムラの業務高度化への貢献を進めていく。
- AIやロボティクスを活用した、ツムラ業務の省力化/自動化に関する新規プロジェクト探索
- AI/ロボティクス人材育成支援