電通デジタルは、生活者の行動が著しく変化している昨今において、生活者の行動に寄り添った購買体験設計の支援に向け、EC(オンライン)と店舗(オフライン)を横断した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査」を実施した。
同調査では、主要商品11カテゴリ(30商品)をベースに、認知・比較検討・購買・購買後の各フェーズにおいて、ユーザーがどのようなチャネルに触れ行動をしているのか、3,000人を対象にアンケートを行った。
主要11カテゴリに含まれる30商品
ファッション/美容・コスメ/食品・スイーツ/ドリンク(お酒以外)/お酒/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクト・介護/ペット用品/電化製品・インテリア・ホビー/キッズ・ベビー・玩具
同調査の一部結果は、次のとおり。
認知
生活者が商品を知る場所は、依然オフラインが多い傾向だった。特に日常的に消費する商品カテゴリではオフラインで商品を直接認知するケースが多い一方、比較検討をじっくりと行う傾向が強いであろう「電化製品・インテリア・ホビー」「ダイエット・健康」や「ファッション」「美容・コスメ」のカテゴリではオンラインでの商品認知の割合が高い結果となった。
カテゴリ別購入検討経路
購入検討経路の結果では、すべてのカテゴリにおいてオンライン接点が増加。「ダイエット・健康」カテゴリでは80%を超える結果となり、生活者は商品認知後、オンラインを活用していることを示唆していた。
購買チャネル
オフラインチャネルが優勢であるものの、ECモール各社、メーカー直販ECサイトなどのオンライン接点も主要購買場所として選ばれており、購買行動のデジタル化が進んでいる。
検討から購買後までのチャネルジャーニー
化粧品のチャネルジャーニーを見ると、生活者の行動が多様化する現在においては、商品の購入を促す体験だけではなく、多角的な体験提供の場が必要であることがうかがえる。
嬉しかったサポート
生活者が嬉しく感じたフォロー・サポートでは、各カテゴリに共通して、クーポンやキャンペーン情報などの値段に直結する「お得な情報」や「発送や到着のお知らせ」の数値が高い結果に。お得な情報のなかでも、ポイント活用に関するサポートがほかの設問より高い結果を示しており、購買体験向上に必須な要素となっていると捉えることができるという。また「電化製品・インテリア・ホビー」カテゴリでは、問い合わせに関するさらなるサポートを求めていることが顕著に現れた。
ポイントごとの収集状況
積極的に貯めているポイントの種類は「2つ以上」が半数近くを占めており、ひとつのポイントを集中的に集めるのではなく、複合的にポイント収集を行っており、ポイント収集が生活者に広く浸透していることを示している。「嬉しかったサポート」でもあるように、ポイント活用においても購買体験を向上するために欠かせない要素となっており、ポイントインセンティブの設計がますます重要となる。
次世代コマースに関する興味
今後市場規模の拡大が予想される次世代コマースに関しては、ライブコマースならではのリアルタイム動画利用による「詳細がわかりやすい」「実際に体験したような気持ちになれる」「実店舗に行かなくてよい」「質問ができるため安心」といった利便性を求めており、現在のECサイトだけでは表現が困難なインタラクティブ性を含んだリアルタイムな接客を感じる購買形態に、生活者は興味関心を寄せているといえる。
また、XR(クロスリアリティ)に関してはライブコマースより2倍以上の回答数を得られ、生活者の興味関心の高さがうかがえる。販売空間の拡張によって得られる体験や利便性にまんべんなく興味を示しており、新たなECプラットフォームとして、生活者の視野に入っている。情報提供のみならず双方向のやりとりを可能にする新たなコミュニティ形成もさらなるCX向上のカギと捉えることができるとのこと。
調査概要
- 調査手法:インターネット調査
- 調査時期:2022年9月5日~9月8日
- 調査エリア:全国
- 調査対象:20〜69歳、3,000名
- 調査主体:電通デジタル