アリババクラウドは、今年の「天猫ダブルイレブン」をクラウド環境において支援。15日に、支援内容の詳細を発表した。
より少ないリソースでより多く ショッピングを効率化
今年の天猫ダブルイレブンは、アリババクラウドの専用オペレーティングシステムである「Apsara Cloud OS」で運用された。これにより、本イベントを支えたデータセンターのコンピューティング、ストレージ、ネットワークの効率が大幅に向上したという。ネットワークの遅延も低減した。例として、注文、販売前の残高支払い、払い戻しを同時に提供できたことがあげられる。
また、ショッピングカートの容量を120点から300点へと2倍以上に大幅拡大。消費者目線では、商品のグループ分けやソートなど新機能のサポートで、好みに応じてショッピングカートを整理できるようにもなった。ほかにも、「セレクト」機能を利用することで、ショップ間の割引や商品の先行予約、クーポン券の利用も可能となった。
さらに没入感のある消費者体験へ
XRをサポートするアリババの独自技術により、より没入感のあるショッピング体験を実現した。アリババでは、複雑な3Dシーンを生成するニューラルネットワーク技術、神経放射輝度場(Neural Radiance Field)を活用している。この技術により、バーバリー、エスティローダー、SK-IIなどの高級ブランドや家具ブランドが、「天猫(Tmall)」上にバーチャルストアを構築した。デサントなどのスポーツブランドは、3Dレンダリング技術によって再現された、屋外の自然の中で最新の製品を紹介。AR技術では、商品を立体的かつ間近で確認したり、時計やアクセサリーを仮想空間で試着したりすることも可能にした。
天猫とタオバオのマーケットプレイスでは、XRを活用した新しい体験ができるようになった。ハローキティやミニオンなど、知名度の高い30の国際ブランドを含む70のブランドが、仮想ショッピングストリートを構築し、700以上の商品を紹介したとのこと。
物流においては、ラストワンマイル配送用の自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」が、約200万個の荷物を配送。これは、昨年同時期の配送量の2倍にあたる。この配送ロボットは中国全土の400以上のキャンパスに配備され、ピーク時の配送における待ち時間を大幅に短縮した。
クリーンなエネルギーでより環境に優しい天猫ダブルイレブン
アリババクラウドが今年の天猫ダブルイレブンのために使用した電力のうち、3,200万キロワット時以上は再生可能エネルギーによるもの。昨年と比較して1日平均で30%増加した。
アリババクラウドは天猫と共同で、「Energy Expert」を活用。Energy Expertは、法人向けの事業活動や製品生産にともなう炭素排出量を測定、分析、管理できるサステナビリティプラットフォームだ。これにより、分野をまたいで40以上のブランドへ、低炭素製品の分類、炭素排出源の特定、炭素排出量削減に向けた、データに基づく持続可能性の実践を支援したという。