Adob(以下、アドビ)は、2022年のホリデーシーズン(11月1日〜12月31日)におけるオンラインショッピング予測を発表した。これは同社の分析ソリューション「Adobe Analytics」を通じて得られたオンラインでの商取引データからEコマースの状況を示すもっとも包括的な分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいている。
同社は、米国において、11月1日から12月31日までのオンライン売上高が前年比2.5%増の2,097億ドルに達すると予想。2021年のホリデーシーズンでは、長引くパンデミックへの懸念から消費者が実店舗に戻ることに不安を感じた結果、オンライン売上高は前年同期比8.6%増の2,045億ドルに達した。
今年は、Amazonがホリデーシーズン前に今年2回目のPrime Day(10月11日~12日)を実施するため、消費の前倒しが予想される。7月に実施された1回目のPrime Dayでは737億ドル(前年比20.9%増)が消費され、小売業界全体のオンライン新記録を樹立。今月の早期値引きセールは、一部の消費者に支出の前倒しを促し、サイバーウィークの数字に影響を与えると推察される。また、消費者が直面しているオフラインでの物価上昇(食費、燃料費、住宅費)や借り入れコストの上昇といった、先行き不透明な経済状況も、ホリデーシーズン中の消費に影響を与えると考えられる。
サイバーマンデー(11月28日)は、今シーズンおよび今年最大のショッピングデーとして、前年比5.1%増の112億ドルの支出を記録すると見込まれる。これに対し、ブラックフライデー(11月25日)のオンライン売上は前年比1%増の90億ドルにとどまり、感謝祭(11月24日)の売上は前年比1%減の51億ドルに落ち込むと予想される。Eコマースが日常的な活動として定着したため、消費者は大規模なショッピングデーでなくても値引きセールを期待するようになり、これらの主要なショッピングデーは目立たなくなりつつある。
同社は、サイバーウィーク(感謝祭からサイバーマンデーまでの期間)全体の売上は348億ドル(前年比2.8%増)になると予想。これにより、年間総額に占めるシェアは16.3%となり、2021年の16.6%から減じることとなる。