働き方を変えるDXサービスを提供するSansanは、クラウド契約業務サービス「Contract One」が、受注業務を担当するビジネスパーソンを対象に「企業の受発注業務に関する実態調査」を実施したことを発表した。
今回は、受発注業務の実態と紙の注文書が残ることによる課題、電帳法への対応状況を明らかにするために、注文書のやりとりの多い「卸売商社」「建設/不動産業」「メーカー/製造業」「小売流通」に勤める受注業務担当者を対象に同調査を実施した。
4割以上が郵送またはFAXで「紙の注文書」を受け取っている
注文書の受け取り方法を聞いたところ、「メールPDF添付(63.7%)」と回答した人がもっとも多かったものの、次いで「FAX(47.7%)」、「郵送(42.7%)」での受け取りが多く、コロナ禍でリモートワークが推進されるなかにおいても、紙の注文書を受け取る機会がいまだ多く残っていることが判明した。
リモートワークが可能なのに受注業務のために「FAX出社」をしたことがある人が約6割
注文書をFAXで受け取っていると回答した508人に、勤務先でリモートワークを推進しているかをたずねたところ、38.7%が「はい」と回答。そのうち、注文書の確認のためにオフィスに出社(FAX出社)をしたことがあると回答した人は58.4%だった。
リモートワークが可能な就業環境ながら、注文書の受信を確認するために出社せざるを得ない人が半数以上の約6割いることがわかった。
7割以上が「注文書を電子化したい」 一方、3割以上が「取引先が紙の注文書を指定するため」に紙の注文書が減らないと回答
受注業務において、注文書業務を電子化したいと思うかを聞いたところ、「そう思う(35.3%)」「どちらかというとそう思う(37.8%)」の合計が73.1%。なお、「すべて電子化している」と答えた人は全体の4.5%だった。
コロナ禍前と今で紙の注文書の枚数を比較すると、「増えた(1.3%)」、「どちらかというと増えた(3.2%)」、「変わらない(51.2%)」と回答した人が半数以上に。
紙の注文書を減らすことができない理由としてもっとも多かった回答は「取引先が紙の注文書を指定するため」で35.1%。自社の意向だけでは注文書を減らすことができないという課題が見受けられる結果となった。
取引先によって複数のデジタルツールを使い分けることを手間だと感じる人が8割以上
取引先が発注業務にデジタルツールを導入していると答えた60.2%の受注業務担当者のうち、73.8%が取引先によって複数のデジタルツールを使い分けていた。また複数のデジタルツールを使い分けることを手間に感じるかを聞いたところ、「感じる(34.5%)」「どちらかというと感じる(46.9%)」の合計が81.4%となった。
4割以上が電帳法に注文書が適応されることを知らない 適応に向けた対応済み企業も3割以下に
2022年1月に施行された電帳法では、請求書や見積書などに加えて、注文書も電子保存の対象となる証票類に指定されているが、そのことを「知らない」と回答した受注業務担当者が42.1%にのぼった。
さらに、注文書に関して電帳法に「すでに対応している」と回答した人は27.9%にとどまる結果に。もっとも多かったのは「対応に取り組んでいる」の40.4%で、「対応方法を検討している(16.4%)」と「まだ何もしていない(11.5%)」と回答した人の合計は27.9%と3割近くにおよんだ。
調査概要
- 調査期間:2022年9月6日~2022年9月7日
- 調査地域:全国
- 調査対象:注文書のやりとりが多い「卸売商社」「建設/不動産業」「メーカー/製造業」「小売流通」業界で受注業務に携わるビジネスパーソン1065名
- 調査方法:オンライン上でのアンケート調査