住友商事は、物流センターにおける従業員ごとの作業進捗を可視化し、その実績データを収集、蓄積、分析するシステムSmile Board Connect(スマイルボードコネクト)の販売を開始した。
スマイルボードコネクトの実用化について
スマイルボードコネクトは、各従業員のスキルデータをもとに作業計画を作成する機能や、各従業員ならびに各工程の作業進捗をリアルタイムで可視化するダッシュボード機能などにより、物流現場の日々の作業を効率化するシステム。物流センター内の多岐にわたる作業において、誰がどこでどのような作業をどれだけ行ったのかを一元管理し、管理者がリアルタイムで各工程の状況を把握・管理することを可能にする。
同システムは、通販物流事業を行うグループ会社のベルメゾンロジスコにて実際に抱えていたアナログな管理体制や従業員の満足度向上といった課題に着目し、同社が独自に開発したもので、実証・改良を経て実用化に至った。
今回、サブスクリプションサービスとしてグループ外企業への販売を開始し、すでに大和ハウスグループの物流会社である大和物流など複数社への導入を予定しているという。
物流倉庫における課題を解決
売れ筋商品や売れ行きが日々変化する物流センターのオペレーション特性上、倉庫内作業の効率化は重要なテーマとなっている。現状、労働集約型の物流センター現場の多くでは、エクセルやホワイトボードを用いて作業進捗管理や人員配置を行っているが、スマイルボードコネクトを用いて各工程の進捗を適切に管理することで、工程間の手待ち時間の削減や管理業務の効率化による大幅なコスト削減が見込まれる。
また、同システムに、量子コンピュータおよびAIによる最適配置機能をオプションとして追加することで、個人単位のスキルデータをもとに最適な人員配置を自動算出。これにより、各作業員の多様な働き方、作業員同士の相性にも即した業務アサインを実現し、生産性を最大化、労働環境の改善にも寄与する。
同社が取り組む意義
同社では、1人ひとりの個性を大事にし、その力が最大限発揮される働きやすい職場づくりに資することを目指してスマイルボードコネクトを開発した。管理者、労働者そこに携わる全員のスマイルにつながるよう、そのような思いを込めてスマイルボードコネクトと名付けているとのこと。今後も、同社のデジタル変革の知見を活かし、物流業界の発展に貢献していく考え。