BEENOSは、2022年上半期の越境ECの動向をまとめた「BEENOS 2022年上半期 越境ECトピックス」を6月に発表した。円安が加速した2022年3月11日前後の比較で、BEENOSグループが運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee」経由の購入金額が18.8%増加、3月下旬も上昇トレンドが続くなど、円安は越境ECにとって追い風になっている。
2022年6月22日には、円相場が一時1ドル=136円台後半を付けるなど、約24年ぶりの歴史的な円安が続いている。海外から日本の商品が買い求めやすくなるため、円安は越境ECに追い風となっており、「Buyee」の2022年9月期 第2四半期の流通総額は前年同期比26.7%増で過去最高を継続更新し、特に台湾、アメリカからの流通が増加した。さらに、今年6月10日に再開されたインバウンド客のリピート買い需要を満たす販路としても、越境ECは注目されている。
越境EC黎明期である2008年より越境EC事業を展開してきたBEENOSグループは、この円安を海外販売のチャンスと捉え、円安によって変化した2022年上半期の越境ECの購買動向を発表することによって、日本企業が「海外に挑戦」するための一助となることを目指す。
ここでは、円安が急速に進んだ2022年3月11日(円相場が一時、1ドル=116円80銭台を付け、およそ5年2か月ぶりの円安水準)を起点としてトピックスを紹介する。
Buyee経由の流通指標は3/11以降に上昇 金額は18.8%、UUは10.9%、顧客単価も1,102円増加
円安が急速に進んだ2022年3月11日以降、Buyee経由の購入金額、購入UU、顧客単価は上昇し、円安がリアルタイムに越境ECにプラスの影響を与えていることがうかがえる結果となりました。
一時的な増加だけでなく3月下旬も上昇トレンドが継続
3月11日直後だけでなく、3月21日~31日の期間も右肩上がりでBuyee経由の購入金額、購入件数ともに増加し、一時的な影響だけでなく、その後も円安による越境ECの需要が継続的に上がっていることを示している。
特に伸長したエリアはブラジル、メキシコ、マカオ 年齢別では、若年層が増加
2022年3月の円安後に伸長した国/エリアは、1位ブラジル、2位メキシコ、3位マカオでした。特にブラジルの通貨であるレアルは米ドルと比較しても対円上昇率が高く、2022年2月から5月で約20%上昇し、日本発の商品がおよそ2割引で買える状態となっている。円安の影響により、日本から距離が遠いブラジルやメキシコのユーザーにも商品代金、国際送料含めて従来よりも安い金額で利用できるため、Buyeeの主要エリアであるアメリカ、台湾、香港以外の国でも流通が伸びたことが大きな特徴となっている。
特に伸長した商品ジャンルは美術品、ブランド時計、フィギュア/プラモデル、カメラ関連
5月の商品ジャンル別ランキングでは、Buyeeで定番的な人気のアニメ関連、カーパーツ、趣味嗜好品がランクイン。特に伸長したジャンルは、美術品やブランド時計、フィギュア/プラモデル、カメラ関連で、もともとファンの多いロングテール商品が円安をきっかけに買いやすくなり購買を後押しした結果となった。