セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、ビックカメラがDX宣言の実現に向けてSalesforceを全面的に採用したことを発表した。
ビックカメラは、マテリアリティ(重要経営課題)のひとつである「顧客エンゲージメントの向上」を目指し、「購買代理人としてのマーケティング力強化」に取り組んでいる。デジタル技術の活用(DX)については、2022年1月にデジタル戦略部を新設し、DX施策を検討。さらに今回、同社は『DX宣言』として購買代理人としての「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」を目指すことを発表した。
ビックカメラOMO戦略について
ビックカメラは購買代理人として、店舗とECのシームレスな結合を通じて顧客体験を向上するOMO戦略を推進する。これにより、顧客はオフライン(店舗)とオンライン(ECを含めたデジタル)を意識することなく、希望のタイミングで場所を選ばず、自由に買い物を楽しむことができる。また、店舗とECをまたがる顧客情報を統合することで、より顧客1人ひとりにあったオススメ情報を提供する。
事業展開の機敏性・効率性を高めるシステム開発の実現
「Salesforce Lightning Platform」「AWS」「BizRobo!(RPA)」をプラットフォームに、システム開発の内製化を推進、コストダウンを実現する。
また、「Salesforce Lightning Platform」を活用したデジタル基幹化を目指し、既存基幹システム機能のマイグレーションを推進(ダウンサイジング)、コストダウンを実現。その前フェーズとして、アマゾンウェブサービス(AWS)のクラウド移行支援プログラムである「ITトランスフォーメーションパッケージ2.0」を活用、基幹システムのAWS移行を行う。
ビックカメラが目指すDX宣言の実現のために、最先端テクノロジーと豊富な顧客関係管理(CRM)のベストプラクティスを有していることからSalesforceが採用された。
同社は、「Salesforce Service Cloud」「Salesforce Experience Cloud」「Salesforce Marketing Cloud」「Salesforce Commerce for B2B」などのSalesforce製品を、個人・法人の顧客とのOMOを実現する中核として採用し、顧客基盤の整備、マルチチャネル化を進めている顧客接点の管理、オフライン(店舗)とオンライン(デジタル)を跨いだ顧客データ分析、データ分析に基づく顧客へのパーソナライズされたコミュニケーションなどの実現を推進する。
また、顧客や事業環境の変化に迅速に対応するために、「Salesforce Lightning Platform」により内製化を推進するアプリケーション開発基盤を整備するとともに、オンライン学習プラットフォーム「Trailhead」を活用したDX人財育成に取り組む。システム開発の内製化を加速するために、APIによるマイクロサービス化を実現する「MuleSoft」の導入も検討しているという。
さらに、ビックカメラ、AWS、Salesforceの3社連携の取り組みとして、AWSが提供するクラウドベースのコンタクトセンターサービス「AmazonConnect」とSalesforceが提供するAIを活用してカスタマーサポートを実現する「Service Cloud Voice」の連携実証実験をスタート。このふたつの製品の組み合わせを通じて、コンタクトセンターにおける顧客体験の飛躍的向上を目指すとのこと。