トライアルカンパニー(以下、トライアル)は、同社初となる“スキャン漏れ防止機能”を搭載した次世代型スマートショッピングカート(以下:SSC)を本格導入した。2021年6月に概要を発表し、店舗への本格導入は田川店が初となる。
小売市場を変革し続ける同社は、小売店での使用に特化したAIエンジン搭載カメラ「リテールAIカメラ」や、タブレットやスキャナーを装着した「スマートショッピングカート」などにより、買い物体験の改革を実現してきた。
消費者の利便性・店舗オペレーションの効率化が図られる一方で、セルフレジ、決済機能付きカートなどのスマート決済を導入している小売店にとっては商品スキャンのうっかり忘れや万引き行為に由来する『棚卸時の原因不明ロス』の増加が大きな経営課題となっていた。
同社はこの課題を解決すべく、今回決済機能付きカート利用時の棚卸時の原因不明ロス』削減への有効性が認められた“スキャン漏れ防止機能”を搭載した次世代型SSCを本格稼働させることとなった。
“スキャン漏れ防止機能”とは、消費者がうっかりスキャンし忘れた商品がカートのカゴに入れられると自動検知し、カート上のタブレットにアラートが表示される仕組みとなっており、消費者は正しく商品をスキャンし直すことで買い物を続けることが可能となる。
今回、田川店は次世代型モデル中型を140台本格導入。『棚卸時の原因不明ロス』削減を目指して運用を進めていく。
そのほか、次世代型の変更点として挙げられるのは、機体の軽量化とのこと。従来のSSCに比べ約4分の1軽くなっており、操作性がアップした。高齢者などより多くの人に使ってもらえるようにモデルを一新。さらに、15台まで連結させて自動充電を行えるなど、店舗運営面での利便性も向上している。
スマートショッピングカート次世代モデルの特徴
旧モデルでは既存のショッピングカートにタブレットやスキャナーを装着してスマート化していたが、次世代モデルは始めからスマートカートとしてデザインし、使いやすさを追求している。
ハードウェア面
- 店内UX向上を目指した、「軽い」「画面が見やすい」、かつ「商品を入れやすい」デザイン設計
- 商品のスキャン漏れ時に発動する自動検知アラーム装置付き
- 会計後の詰め替えが不要な、マイバッグを取り付けられる設計
- 最大15台接続して充電が可能な設計
ソフトウェア面
- ネットリテラシーを問わないUI設計
- チュートリアルやガイド機能の充実
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AIレコメンドシステム
- 270億件のID-POSデータを情報化した社内開発のレコメンデーションアルゴリズム
- パーソナライズされたリアルタイムレコメンド
- 定期的な学習により、季節性や商品の移り変わりを考慮可能なレコメンドモデル
ビジネスモデル
- 初期費用を抑え、導入へのハードルを下げる月額サブスクリプションプランを新設