大日本印刷は、取り扱うすべてのパッケージの「カーボンフットプリント(製品のライフサイクル全体でのCO2排出量)」を第三者認証済みの算定結果とする「DNPライフサイクルCO2認証システム」の実証を開始する。実証は、国内でライフサイクルアセスメント(LCA)関連の第三者認証の実績がある一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)と共同で実施する。
本システムは、DNPのマネジメント体制とカーボンフットプリントの自動算定ツールについて第三者認証を取得するもの。算定結果は改めて審査を受けなくても第三者認証を取得でき、信頼性を高めることができる。DNPは2022年春に、本システムの本格的な運用を開始する予定で、ステークホルダーのカーボンニュートラルの取り組みの迅速な可視化を可能にする。
DNPは20年ほど前から、製造するパッケージに関して、原材料の調達から製造・廃棄まで、自社などでカーボンフットプリントを算定し、製品の企画・開発に活かすほか、算定結果を社外に開示してきた。また、外部機関による第三者認証を得るために、製品ごとにカーボンフットプリントの算定結果の審査が必要だった。
こうした状況に対してDNPはSuMPOと共同で、2021年4月より本システムの実現に向けた検討を進め、10月に認証のための実証を開始。今回構築するシステムは、第三者認証済みの算定結果を迅速に提供できるため、原材料の調達から生産・納品・資源循環までの製品のライフサイクルすべてにおいて、関係する企業などのカーボンニュートラルの取り組みを支援する。
DNPは本システムの実証を通じて2022年3月までに審査を終えて第三者認証を取得し、2022年春に本格運用を開始する予定。また、認証済み算定結果の提供だけでなく、多様な素材のパッケージやプラスチック製品等についてもカーボンフットプリントのシミュレーション結果を提供できる体制を構築する。LCAを活用した環境負荷改善シナリオの提案や、目標に対する効果測定等のコンサルティングサービスなど、幅広い業界でのカーボンニュートラルへの取り組みを支援していく考え。