「夢」のQ&A
夢
Name:カックウ Date:2009年08月20日 17:15
フルタイムで仕事を持つ50代の主婦です。主人と2人の息子がおります。次男が高3でもうすぐ卒業、やっと子育てから解放されます。仕事は学生の頃から好きな分野で、家庭との両立は大変でしたがやめずに頑張ってきて良かったと思っています。
この先もしばらくは続けますが、組織で働く傍ら、趣味で続けてきた手芸(特に編み物とレース)の講師資格を取得したためそろそろ長年の夢・・・『まちの手芸屋さん』を開きたいと思っています。
この本を読んで、こんなやり方もあるんだ・・・と思い、できることからやっていこうと背中を押された気がしています。
ネットと実店舗、両方できたらよいのですが、入口はどっちがよいのでしょう?アドバイスをお願いします。
著者の田中です。[カックウ] さん、読んでいただきありがとうございます。手芸の講師でいらっしゃるとのことですので、作品レベルは問題なく進めていけそうですね。実店舗とネットショップの比較ですが、何といっても一番大きな違いは開業するにあたっての費用です。気軽に始められるという点では、ネットショップの方がハードルはかなり低くなります。
また、接客という面で実店舗の場合には対面になります。人との触れ合いを大切にしていきたいのであれば、実店舗の方がやり甲斐もあり向いているのかもしれません。しかし、ネットショップも実店舗も、お客様の立場に立って考える・感じるという点では何も変わりはありません。本にある内容はネットショップのものですが、実店舗に当てはめてみれば同様なことが言えると思います。
実店舗の場合には出店する場所の考え方がネットショップとは少し違い、出店する場所によってコンセプトや集客方法を考える必要があります。例えば、人通りのある場所に出店する場合には、なるべく需要がある商品(ついで買い、衝動買いさせるような商品)を扱った方が良いでしょうし、奥まった場所に出店する場合には、わざわざそのお店を目指して来てもらえるような特徴のある商品(オリジナル商品、希少価値のある商品)を扱った方がよいと思います。その場所の特徴をいかした店舗づくりをすることが大切です。
例えば、「駅前のおそば屋さん」と「山奥のそば屋さん」では、お客様が求めるものが違います。手軽に待たずに食べたいときには「駅前にあるおそば屋さん」となりますが、こだわりの本物を食べたいときには遠くまで足を運んでも「山奥にあるおそば屋さん」を選ぶのではないでしょうか。これがわかっていないと、お客様の要望には応えられていません。
商売は難しく考えれば非常に複雑になりますが、簡単に考えれば非常に単純です。成功の極意は「一度来ていただいたお客様が次ぎに来てもらえるサービスを提供する」ということに尽きます。そのサービスとは、商品だったり、接客だったり、外観だったりと全てになります。この法則は、ネットショップも実店舗も共通です。
[カックウ] さんに十分な開業資金と意欲があり、よい物件が見つかれば、ハードルは高いものの実店舗で開業するのもよいかもしれません。同じ手芸関係で実店舗を展開しているオーナーの方にお話しを聞いてみると、いろいろと参考になると思います。また、実店舗の場合には、店舗維持費(家賃、光熱費、人件費等)が必ずかかりますので、ある程度の運転資金の確保が欲しいところです。でないと、思わしくない場合にどうしても焦ってしまい、短期・中期計画より目の前の売上に意識がいってしまう恐れがあるからです。戦略がなく売上ほしさのバーゲンや値下げは、根本的改善が行わないので何の解決にもなりません。
リスクは最小限にとどめたい、もしくは現在の仕事を続けながらお店を実現したいというのであれば、ネットショップから始めるのがよいでしょう。初めて商売をするのであれば、ネットショップで経験してからでもよいのではないでしょうか。
ネットショップから始めて実店舗を持った人もいれば、実店舗を始めたけど思わしくなくネットショップで事業を立て直した人もいます。人それぞれではありますが、実店舗の場合にはネットショップよりも、計画とリサーチはかなり入念に行う必要があるということは言えます。ネットショップでは開業した後に方向転換することは可能ですが、実店舗だと簡単にはいきません。そのためには、自分なりの分析と信念をして開業しないと、壁にぶち当たったときの解決方法が導き出せなくなってしまいます。ときにはカンで乗り切る場合もありますが、そのカンも経験と分析が導き出す結果だと私は思います。それを、本当にカンだけに頼るのでは、商売が賭け事のようになってしまうのではないでしょうか。
今の時代は流れが速く、消費者のニーズも目まぐるしく変わります。そのニーズを追いかけることも必要ですが、お店の特徴は作っていくべきだと思います。それはオーナーの人柄だったり、信念やマインドだったり、譲れないこだわりによって出来ていくのではないでしょうか。「値段で比較されないお店」が時代が変わっても強い(魅力のある)お店です。「私がやりたいのは○○なのだ」と言う強い気持ちがない場合には、ネットショップから始めて、「一体自分は本当は何をやりたいのか?」「この方向でよいのか?」「ゆずれないこだわりは揺るがないのか?」など、少し時間をかけて考えていくのはどうでしょうか。そこで自信ができてから実店舗に挑んでも遅くはないと思います。
長くなりました。質問の答えになっているかわかりませんが、何か一つでも参考になれば嬉しいです。
Name:田中 正志 Date:2009年08月22日 00:01