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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

今さら聞けないEC知識

Amazon・楽天・Yahoo!の違いは?ユーザー目線と出品者側から徹底比較


 ECモールに出店をしようとするとき、Amazon・ 楽天 ・Yahoo!のどこがいいか迷う人が多いかと思います。自社商品のターゲット層が多いことはもちろん、使いやすさや手数料などもチェックしなければなりません。本記事では、Amazon・ 楽天 ・Yahoo!の違いについて、詳しく紹介します。

Amazon・楽天 ・Yahoo!について

 Amazon・ 楽天 ・Yahoo!はいずれも遜色ない大手のECモールですが、利用層や特徴には違いがあります。出店する場合、利用客が多いことだけでなく、自社商品のターゲット層が多く利用しているかも重要なポイントです。

 3社にはそれぞれ利用層に違いがあるため、自社商品のターゲットにより近い層が利用しているのはどこかをチェックしましょう。ここでは、3社の利用者数や利用者の特徴などを紹介します。

利用者数が拮抗するAmazonと楽天

Laptop computer displaying logo of Amazon

 利用者の数では、Amazonと楽天が拮抗している状況です。2020年はAmazonが約5,253万人の利用者でトップの座を占めましたが、2021年には 楽天が約5,370万人と、前年の約5,138万人から数を大きく伸ばしてトップの座についています。

 長引くコロナ禍により、ECモールの利用が加速しているという事情も影響した結果です。

 楽天は女性客の全年齢層でもっとも利用者が多く、男性では18~34歳の若年層でAmazonの利用が多いという分析結果が出ています(参考:ニールセン「オンラインショッピングのサービス利用状況」) 。

年齢層が高いのは楽天

 利用者の性別や年齢層も3社ごとに特徴があります。Amazonは商品名やブランド名で検索をする男性が多く、楽天は買い物自体を楽しむ女性が多く利用している傾向です。

 オンラインショッピングの利用でもっとも多いのが女性の35〜49歳の年代で、次いで男性の50歳以上という結果が出ています。いずれも楽天の利用者で、ターゲットの年齢層が高い場合には楽天が狙い目と言えるでしょう。

 Yahoo!は楽天と同じく女性の利用が多い傾向で、年齢層は楽天よりも低い20〜30代が主流です。

PayPayが使えるYahoo!

 市場規模ではAmazonと楽天にやや遅れをとるYahoo!ですが、商品数と出店の店舗数は3社のうちでもっとも多く、今後も成長が予想されています。

 Yahoo!の他にはない特徴がPayPayの決済です。PayPayはソフトバンクとYahoo!が設立した「PayPay株式会社」が運営するサービスで、2019年にはYahoo!ショッピングの上位ショップという位置づけのPayPayモールをオープンしています。PayPay利用者向けのプレミアムモールで、高い基準を満たした店舗だけが出店できるのが特徴です。

 PayPayの登録ユーザー数は2021年6月の時点で4,000万人を超えており、日本の約3人に1人が登録しているという状況です。国内で利用される主要アプリでは「LINE」に次ぐ成長速度で、PayPayモールの利用者は今後も増えていくと予想されるでしょう。

 PayPayモールに出店するとYahoo!ショッピングでも検索でき、さらに検索では上位表示されるのがメリットです。PayPayを利用する層の取り込みが期待でき、特に若年層をターゲットにする場合は狙い目といえます。

ユーザーから見た比較

ネットショッピングをする若い女性

 ECモールへの出店を考える際は、ユーザー側から見た使いやすさやお得なポイントシステムなどもチェックしておきたいところです。サイトの見やすさや購入のしやすさ、ポイント制度はどのようになっているかなどを確認しておきましょう。

 また、各ECモールは買い物アプリを提供していますが、その違いについても紹介します。

使いやすさ

 求める商品の最安値を探しやすいのはAmazonです。Amazonでは商品名を検索したときに一番安い商品から表示され、Amazonが販売・配送する商品であれば送料も一律であるため(出品者が販売する場合は送料別)、ほしい商品がすぐに見つかります。

  楽天やYahoo!の場合はショップごとに送料の扱いが異なり、お得な商品を探すのに手間がかかるのがデメリットです。楽天は目的と異なる商品が一緒に表示されることも多く、その他の条件で検索しなければならないのが面倒と言えるでしょう。

 また、 楽天やYahoo!では返品・交換について各ショップに問い合わせが必要ですが、Amazonの場合は窓口がひとつのため、手続きがスムーズです。

ポイントシステム

 3社とも、商品を購入するとポイントがつくシステムを導入しています。各社の内容は、次の表の通りです

Amazon
  • Amazonポイントが付与されている対象商品を購入した場合にポイントがつく
  • Amazon Mastercardで買い物をすると、どの商品を購入しても一定のポイントが付与される
楽天
  • 商品を購入するとポイントがつく
  • 会員ステータスのランクアップによって還元率を引き上げる
  • 楽天カード、楽天モバイル、楽天でんきなどの利用で還元率がアップする
Yahoo!
  • 商品を購入するとTポイントがつく
  • Yahoo! JAPAN IDとPayPayアカウントを連携している場合、PayPayボーナスがつく

買い物アプリ

 各モールでは買い物アプリを提供しており、それぞれサービスが異なります。まず、共通しているのは、初回にアプリで購入する際にポイントがつくことです。

 また、その後の購入でも、楽天やYahoo!の場合はポイント率がアップします。Yahoo!の場合は5のつく日にアプリで購入するとポイント5倍というキャンペーンがあり、ポイントが多く集まる仕組みです。

 アプリの機能では、3社とも音声やバーコード検索ができます。さらに、Amazonのアプリは画像検索もできるのが特徴です。また、Amazonではチャットサービスにも対応しています。

出品者から見た比較

 出品者にとってもっとも気になるのが、各モールの出品手数料や販売方法です。また、初めてECモールに出店する場合、どのようなサポート体制がとられているかも把握しておきたいところです。

 ここでは、3社の出品手数料を比較し、商品管理や発送の方法、売り方の自由度について紹介します。さらに、専門のコンサルがつくかなど、サポート体制についても見ていきましょう。

出品手数料

 3社の出品手数料を表にしました。ここでは、初期費用や毎月のシステム利用料、売上ロイヤリティなどがすべて無料となるYahoo!に大きなメリットがあります。

Amazon
  • 大口出品プランは月額登録料4,900円、基本成約料は無料
  • 小口出品プランは月額登録料無料、基本成約料は販売する1商品ごとに100円
  • 月50個以上を販売できれば、大口出品の方が安くなる
  • ほかに販売手数料が8%~15%必要
楽天
  • 初期費用一律60,000円
  • 3つのプランから選べ、登録可能商品数や画像容量で金額が異なる
Yahoo!
  • 初期費用、月額システム利用料、売上ロイヤリティが無料
  • 成約ごとに手数料がかかる

販売方法

 商品管理や発送は出品者ごとに行いますが、Amazonと楽天では業務を代行するサービスも選べます。

 AmazonではFBA(フルフィルメント by Amazon)という、自社の倉庫で在庫管理から配送までの業務を代行するサービスがあるのが特徴です。手間が省けるだけでなく、迅速な対応などで商品への信頼性につながるというメリットがあります。

 楽天では「楽天スーパーロジスティクス」という物流業務の委託サービスを行っています。365日稼働して土日祝日も出荷対応するため、配送サービスで他社と差別化し購入率アップも可能です。

 販売の自由度では楽天とYahoo!が高く、自社の特色を活かしたショップページが自由に作れます。Amazonの場合はページのフォーマットが決まっているため、自由なページづくりはできません。サイトを作る手間がないという点では、初心者には始めやすいともいえるでしょう。

サポート体制

 楽天では、出店者ごとに専用のECコンサルタントがつきます。店舗運営から販売戦略までサポートし、 楽天が20年以上の経験で蓄積したノウハウを提供します。

 一方、AmazonやYahoo!ではコンサルタントのサポートはなく、コールセンターやメールで相談を受け付ける体制です。Yahoo!では、開店準備や運用の質問などをヘルプデスクがサポートします。

キャンペーンの違い

Image of using flea market app indoors

 3社とも、年間を通して多くのキャンペーンを開催しています。キャンペーンには3社それぞれに特徴がありますが、毎月定期的なセールが行われ、年に数回の大規模なセールが開催される点は共通です。

  楽天では店舗独自のセールもあり、 Yahoo!ではPayPayに特化したセールも行われます。各モールのキャンペーン内容を見て、自社商品がより販売促進できそうなところを見つけましょう。

Amazonではプライムセールなど

  Amazonでは毎月定期的に開催されるタイムセール祭りをはじめ、7月にプライムセール、11月にブラックフライデーとサイバーマンデーという大規模なセールが開催されます。売上を伸ばすチャンスが豊富にあるのが特徴です。

  タイムセール祭りに参加するには、大口出品者で高い評価を得ているなど一定の要件がなければなりません。プライムセールは中小規模の販売事業者の支援を目的としており、事前にパネルディスカッションが実施されます。

楽天市場は独自のセールができる

  楽天ではお買い物マラソンや、「5と0のつく日」のセールなどが毎月開催されています。 毎月1日に「楽天ワンダフルデー」、毎月18日「ご愛顧感謝デー」が開催され、さらに年に4回楽天スーパーセールがあります。 楽天ではこれら定期的に開催されるセールのほかに、店舗が独自にセールを開催することも可能です。

 なかでも「楽天スーパーセール」は半額以下の商品が販売されるなど人気が高く、出品することで多くの集客が見込めます。割引アイテムは事前に申請し、審査に通過しなければなりません。

ヤフーはPayPayに特化したセールなど

  Yahoo!では、「5のつく日キャンペーン」や「ゾロ目の日クーポン」が毎月開催され、さらに、毎年11月にはPayPayに特化した「超PayPay祭」が開催されます。期間中PayPayで支払うと、PayPayボーナスが通常時よりも多く付与されるキャンペーンです。

  セール期間中のポイントアップは出店者が2.5%~14%ほどの資金を任意で負担しますが、それにより集客や売上の増加が期待できます。

Amazon・楽天 ・Yahoo!の特徴を把握しよう

インターネットショッピングのイメージ

 Amazon、楽天、Yahoo!はそれぞれ利用層が異なり、出店にかかる費用や販売方法、サポート体制などが異なります。サイトづくりに時間をかけず販売促進に集中したい場合はAmazon、ショップページに個性を出したい方は楽天 、初期費用を抑えて出店したい場合はYahoo!というように、各自のニーズに合わせて選ぶとよいでしょう。記事も参考に、自社商品に合ったECモールを見つけてください。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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